厚生労働省(自立支援振興室)へ「聴覚障害者のスポーツ施策への要望」を提出 



連本第100296号
2010年10月1日

厚生労働大臣 
  細川 律夫 氏

162-0801 東京都新宿区山吹町130 SKビル8階
Tel 03-3268-8847・Fax 03-3267-3445
財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

聴覚障害者のスポーツ施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、現在内閣府において「障がい者制度改革推進会議」が行われ、障害者の「文化・スポーツ」においても意見が交わされています。
 つきましては、さらなる聴覚障害者スポーツの施策推進をお願いしたく、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。

 
① デフリンピック派遣への国庫補助を拡充してください。
(説明)
 デフリンピックへの選手団派遣に際し、国庫補助金が交付されるようになりましたが、総額の3分の2の金額の補助のため、残りの3分の1を選手団で負担せざるを得ません。その費用は派遣団体、各競技団体で負担するための活動を行っていますが、この負担は競技レベル向上のために努力してきた選手たちにとって、大変な重荷となります。
 つきましては、選手の負担を軽減させるため、国庫をはじめとする補助金の増額等の施策を要望いたします。

 
② 国民へのデフリンピック啓発のための事業に対する制度の創設及び拡充を行ってください。
(説明)
 デフリンピックに関するメディアの取り扱い、国民の関心は以前に比べれば高くなったものの、オリンピック、パラリンピックに比べるとまだまだ低いと言わざるを得ません。
 そのため、選手が所属している会社に派遣に伴う休暇を申請してもなかなか認められない、企業に派遣に対する協賛をお願いしてもなかなか認めてもらえない等、認知度が低いがゆえに起こる問題が多く存在します。
 これを解決するために、社会へのデフリンピック啓発普及事業を行ってきておりますが、まだまだ不十分であり、この事業をより一層拡充させていく必要があります。
 国民、社会へのデフリンピック啓発普及事業に対する取り組みに対する制度の創設及び拡充を要望いたします。

 
③ 全国障害者スポーツ大会において「ふるさと出場」を出場条件に加えてください。
(説明)
 全国障害者スポーツ大会への出場資格は「住民票のある住所」「勤務地及び通学校がある住所」のいずれかで出場することになっており、国民体育大会では認められている出場資格の1 つである「ふるさと出場」を認めていません。
 地域における障害者スポーツは、地域格差があり、障害者本人が出場したい競技チームがない場合、出場したくとも現在の条件では出場できない状況があります。
 その状況を緩和するためにも、国民体育大会で認められている「ふるさと出場」を障害者スポーツ大会でも認めるよう制度を変更することを要望します。

 
④ 障害者のスポーツ活動の発展のためにも、障害者スポーツ活動に力を入れている企業への支援を行ってください。
(説明)
 デフリンピックに出場する選手の多くはアマチュアであり、日本代表選手といえども、練習や試合にかかる費用や活動にかかる休暇の取得に困難を生じる例が多く、その理解を広めることが大きな課題となっています。
 障害者スポーツのすそ野を広げるためにも、企業の理解は必要不可欠です。法定雇用率と合わせ、障害者スポーツを支援する企業に対し、報奨金などの支援を拡充ください。

以  上