※以下はWFDニュース2026年3月号より抜粋(全日本ろうあ連盟仮訳)
WFD News March 2026 - provisional translation by the Japanese Federation of the Deaf
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WFDニュース - 2026年3月

理事長によるメッセージ
理事長

最近、さまざまな場所を訪問する中で、「インクルージョン」がどのように定義されているかということと、ろう学習者が実際に経験していることとの間に、根強いギャップがあることを改めて認識しました。現状では、多くの場合、「インクルージョン」は言語へのアクセスを確保することなく、ろう学習者を通常学級に配置することにとどまっています。

その一例として、タジキスタンが挙げられます。タジキスタンのろう児は学校に通っていますが、教師は自国の手話言語を使うことができません。ろう協会が教師に研修を行い、子どもたちが手話で過ごせる環境を整えたところ、子どもたちの学習成果はすぐに向上しました。この事例は、ろう学習者は手話言語に直接アクセスでき、手話言語が堪能な教師や、同年代のろうの仲間がいる環境でこそ力を発揮できるという基本的な点を改めて裏付けています。

リーダーとして、私たちは、インクルージョンは「どこにいるか」ではなく「どのような経験をしているか」で定義されるべきだということを明確にする必要があります。私たちの役割は、教育制度がろう児の全面的な発達を本当の意味で支えられるものとなるようにすることです。

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WFDの創立75周年
WFD創立75周年

発表要旨の募集

世界ろう連盟(以下、WFD)の創立75周年イベントの一環として、会議プログラムへの発表を募集します。世界各地のコミュニティから、多様な視点、経験、専門性を反映した発表を歓迎します。

募集する内容は以下の通りです。

  • 研究発表
  • 実践に基づく発表
  • ワークショップ
  • パネルディスカッション
  • ポスター発表
  • 短編映画、視覚的プレゼンテーション

研究者、実務者、ろうのリーダー、様々な場面や地域で活動する団体からの応募を歓迎します。

提出締切:2026年4月15日

WFDサインネーム・コンペティション

ろうコミュニティには、人・場所・組織に対してサインネームを付ける文化があります。これまでの75年間、世界ろう連盟(World Federation of the Deaf)のサインネームは、「World」、「Federation」、「Deaf」という3つの手話をつなげたものでした。

75周年を迎えるにあたり、多くの団体が一つの手話で表されるサインネームを持っていること、また多くの人がWFDにも同様のサインネームを求めていることを踏まえ、検討をしました。現在の「WFD」の手話は私たちの歴史ですが、新しい時代にふさわしい新しいアイディアも取り入れていきたいと考えています。

この度、WFDは、WFDの新しい公式サインネームを作るため、全世界から提案を募集し、その中から選考を行うコンペティションを行います。WFDの会員であれば、個人・団体を問わず応募できます。

応募締切は2026年4月30日です。選ばれたサインネームは、2026年9月25日にイタリア・ローマで開催されるWFD75周年記念行事で発表する予定です。

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中東における軍事的激化と不安定な情勢
理事長

WFDは、中東地域における軍事的激化と不安定な情勢が、ろうコミュニティに深刻なリスクをもたらしていることに懸念を表明します。WFDは中東の状況と、ろうコミュニティが受ける影響を注視しています。

WFDの行動は、防災・減災方針(Disaster Risk Reduction Policy)に基づく任務に従っています。中東の紛争が続く中、WFDは同地域のパートナーとの積極的な連携を継続しています。WFDの行動は、防災・減災方針(Disaster Risk Reduction Policy)に基づき、連携、適切性、各国に根ざした現地のWFD正会員によるリーダーシップの尊重を確保しています。

ここ最近のWFDの主な対応は以下のとおりです:

  • 地域内のすべての正会員(各国ろう協会)および関連パートナーとの連携と連絡を最優先としました。
  • 人道支援関係者と会議や継続的なメール連絡を通じて連携し、イランを含め、ろう者のインクルージョンとアクセシビリティの確保に取り組みました。
  • 地域で活動する人道支援関係者に対し、人道対応におけるろう者のアクセシビリティに関するプレゼンテーションを行いました。
  • イランの正会員の代表者とオンライン会議を実施しました。この中で、インターネットや電力の広範な停止、情報へのアクセス不足、深刻なコミュニケーションの障壁など、イランのろう者が直面している重大な課題が報告されました。また、拘束されているろう者を含め、ろう者の安全と権利に対する懸念も示されました。WFDは引き続きイランの正会員と連携し、イランのろう者の権利を擁護します。

WFDは今後も、会員およびパートナーと連携し、武力紛争においてろうコミュニティの保護を支援するにあたり、安全な通信手段と検証された情報を重視して活動を続けます。

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2026年国際ろう者週間・手話言語の国際デー
ろう者人権宣言

2026年の「国際ろう者週間」および「手話言語の国際デー」のテーマ「ろう者人権宣言(Declaring Deaf People's Human Rights)」は、行動を呼びかける強いメッセージです。世界中のろう者の権利を完全に認め、保護し、推進する重要性を強調し、誰一人取り残さないことをめざしています。

今年は、WFDの75周年と、障害者権利条約(CRPD)の20周年が重なる、特に重要な年です。WFDとCRPDは、権利擁護を推進し、社会の変革を促し、政策形成に影響を与え、各国の手話言語の認知を強化する重要な枠組みです。今年の節目は、これまでの進展を祝うものであると同時に、世界のろうコミュニティが権利向上においてどこまで前進してきたかを示しています。

記念の年にあたり、私たちは祝うだけでなく、行動することが求められています。今こそ、ろう者の権利擁護を進めるとともに、人権の完全な実現を一層推進するときです。

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オランダでの講演
オランダでの講演

WFD理事長のジョセフ・J・マレー博士(Dr Joseph J. Murray)は、オランダの団体Dovenschapが主催したシンポジウムで基調講演を行いました。このイベントは、オランダ手話言語が公式に認知されてから5周年を記念するものであり、同国におけるろう者の権利向上における重要な節目となりました。

講演の中で理事長は、インクルージョンに対する包括的なアプローチの重要性を強調しました。各国の手話言語の認知は、言語権の保護、ろう者の文化の促進、そして持続的な政治的取組みと一体で進める必要があると述べました。

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人工知能に関する専門家グループ(特設)
専門家グループ
助言グループ

WFDの「人工知能に関する専門家グループ(特設)」は、人工知能がろうコミュニティに与える影響を探り、新しく登場する技術に対して人権に基づくアプローチを推進する専門家で構成されています。この活動は、特に手話言語、アクセシビリティ、インクルージョンに関するWFDの政策や指針、権利擁護の発展を支えます。

「人工知能に関する専門家グループ(特設)」は、追加の知見や洞察を提供する「人工知能に関する専門家グループ(特設)への助言グループ」の支援を受けています。両グループの協働により、人工知能に関する世界的な議論や発展の中に、ろう者の視点が確実に反映されるようになります。

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