※以下はWFDニュース2025年2月号より抜粋(全日本ろうあ連盟仮訳)
WFD News February 2025 - provisional translation by the Japanese Federation of the Deaf
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WFDニュース - 2025年2月

理事長によるメッセージ
理事長

国連教育科学文化機関(以下、UNESCO)の「国際母語デー」に際し、世界ろう連盟(以下、WFDとする)は、ろう者が言語的マイノリティであることの重要性と、教育において多言語使用が果たす役割について強調します。世界には7,000以上の言語が存在しますが、教育で使用されているのはわずか350言語のみであり、教育で使用されている手話言語の数は不明です。実際に自らの手話言語を用いた多言語教育を受けられるろうの学習者は極めて少ない現状です。

ろう児は、自国の手話言語だけでなく、自国の言語やマイノリティグループ(移民、少数言語コミュニティ、先住民族)の言語を学ぶ権利を持っています。歴史的に、教育において手話言語を確立するための闘いでは、バイリンガルリズムに焦点が当てられてきました。しかし、今日では、ろう者が持つ言語的多様性を十分に認識し、支援することが不可欠です。

ろうの学習者は、複数の言語やモダリティを習得できます。しかし、「多言語教育は複雑である」ということを理由に、未だに制度上の障壁が存在しています。しかし実際には、多言語主義こそが世界の標準であり、その「複雑さ」は学習者にとっての課題ではなく、制度の側に課題があるのです。WFDは、ろう者の言語生活を単一言語に制限することは人権の侵害であると主張しています。社会は多様性を受け入れ、ろう者が多言語環境で生きる権利を支援することが必要です。


UNESCOでのプレゼンテーション

UNESCOでのプレゼンテーション

UNESCOでのプレゼンテーション

UNESCOでのプレゼンテーション

WFDはUNESCOからの招待を受け、2025年の「国際母語デー」において「すべてのろう児のための多言語教育の権利」について講演を行いました。WFDは、ろう児が自国の手話言語を用いて多言語の環境で学習する権利を持つことを強調しました。しかし、未だに多くのろう児が言語剥奪の危機に直面しており、この状況を変える必要があります!

各国政府は、言語政策の中で、手話言語、ろうコミュニティ、ろう児の存在を認知し、明確に位置付ける必要があります。

閉会の挨拶では、WFDの言葉が引用されました。


WFD専門家グループ(2024-2027年)
WFD専門家 人権

WFD専門家 教育

WFD専門家 アクセシビリティ

WFD専門家 手話言語・ろう者学

WFD専門家 健康とメンタルヘルス

WFD専門家 防災

WFDは、2024年から2027年における専門家グループを発表できることを誇りに思います。専門家グループは、世界のろうコミュニティに影響を与える重要分野において、指針の提供、政策の策定、WFDの権利擁護活動の支援を担います。

  • 人権:交差的なインクルージョンと平等の推進
  • 教育:バイリンガル教育と生涯学習の推進
  • 手話言語・ろう者学:言語権と文化的アイデンティティの強化
  • アクセシビリティ:情報・サービスへの平等なアクセスの確保
  • 健康とメンタルヘルス:ろう者の保健医療アクセスの向上
  • 防災:インクルーシブな緊急対応の実現
  • これらの専門家が連携し、前向きな変化を促進するとともに、WFDの使命をさらに強化していきます。


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