私たち抜きで決めないで!(Nothing Without Us)
:ろう者のリーダーシップと意義ある参加のためにすべきこと
歴史的に、ろう者は自分達の生活に直接影響を与える意思決定の場から排除されてきました。ろう者は常に、手話言語教育やアクセシビリティサービスなどに、自分達の視点が反映されることを目指して闘ってきました。
障害者権利条約(CRPD)は、障害のある人が参加することの重要性を示しています。例えば、第4条3項では、障害のある人に影響を与える全ての決定に関して、障害のある人の代表組織を通じて、障害のある人と緊密な協議をし、障害のある人を積極的に関与させることが義務付けられています。第33条3項では、障害のある人が、自分達の生活に影響を与える政策の監視や実施に関与することが求められています。
「真の参加」とは、最初の段階から関わることです。つまり、ろう者が目標を設定し、取組を主導し、ろう協会に十分なリソースを提供することを意味します。世界ろう連盟(WFD)は、最後の段階になってから、ろう者の関与を求めるようなプロジェクトは支持しません。WFDは、ろう者の専門家やリーダーが正当な役割を与えられる「意義あるインクルージョン」を要求し続けます。
人工知能(AI)やテクノロジーの急速な進展により、多くのろう者が、「きこえる人が主導する手話言語AIプロジェクト」への参加を求められています。このような開発が、ろうコミュニティにとって本当の意味での利益になるようにするにはどうすればよいでしょうか?
この極めて重要な課題について、本年、2025年8月にケニアで開催される「第5回WFD国際研究大会」で議論します。一丸となって、「私たち抜きで決めないで!(Nothing Without Us)」を実践に移しましょう。
WFDは、トルコのイスタンブールで開催された国際障害同盟(IDA)総会に正会員として参加しました。
この重要なイベントでは、IDAの新たな憲章とガバナンス構造の審議・承認が行われ、IDAの説明責任、透明性、効果的な代表性への取り組みが再確認されました。幅広い協議と会員からのフィードバックを経て、リーダーシップと運営のパフォーマンスを向上させるための重要なガバナンス改革が決定しました。
WFD事務局長であるパメラ・モリーナ(Pamela Molina)は、スイスのジュネーブで開催された国際障害同盟(IDA)の事務局長会議に参加しました。
この会議では、「障害に関する世界報告書(Global Report on Disability)」の草案を検討し、最終版の作成に向けて取り組みました。その際には、手話を使用するろう者を含め、すべての障害のある人が適切に代表され、そのニーズや課題が十分に反映されるよう努めました。
人工知能(AI)の急速な発展は、アクセシビリティや手話言語の使用に新たな可能性をもたらしています。一方で、ろうの専門家が開発プロセスから排除されるという課題も生じています。
これに対応するため、WFDはAIと各国の手話言語に関する立場を策定するための特別委員会を設立します。この委員会は、政策立案者、研究者、開発者に対し、AIを使用する際に、ろう者の権利を尊重し、各国の手話言語を推進できるように支援することを目的としています。
応募締切:2025年2月28日
AI、言語学、手話言語研究、権利擁護の専門家の皆さまのご参加をお待ちしています。
12か月以上にわたり尽力してきたデルフィーヌ・リ・メール(Delphine le Maire)が、人権担当官の職を退任します。
WFDは、メール氏の貢献に心から感謝し、今後の成功をお祈りいたします。
WFDは、2025年1月初旬に国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)のCEOであるラルフ・フェルナンデス氏(Mr Ralph Fernandez)が急逝されたことを深く悲しんでいます。
フェルナンデス氏は、かつてデフリンピックの自転車競技選手であり、スポーツ・ディレクターとして活躍しました。また、ICSDやデフリンピックのロゴデザインを手掛けた才能あるデザイナーでもありました。
この困難な時期に、フェルナンデス氏のご家族や親しい方々へ、心よりお悔やみを申し上げます。
WFDは、デフスポーツが今後も発展し続けることを願っており、フェルナンデス氏の素晴らしい貢献が、今後も長く受け継がれると確信しています。
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