世界ろう連盟(以下WFDとする)が参加した「障害者権利条約」(障害者の権利に関する条約、以下CRPDとする)の「締約国会議」(以下COSPとする)について紹介します。
毎年、ニューヨークの国連本部において、CRPDの締約国と市民社会組織が集まり、COSPが開催されます。COSPは、CRPDの実施状況を検討するための会議であり、障害のある人に関する運動において極めて重要なものです。COSPには、障害のある人の団体(OPDs)、各締約国の代表団、専門家、支援者、(WFD等の)非政府間国際機構(以下、INGOとする)が一堂に会し、障害のある人の権利を擁護します。本年、WFDは、ウクライナ正会員の理事長であるイリーナ・チェプチナ(Iryna Chepchina)とともに出席しました。
この4日間は、WFDのビジョンである「世界中のろう者が、どこでも手話言語でコミュニケーションできる社会へ!」に向けての重要な一歩となりました。
5日間にわたり、WFDは、国連代表との会合を4回、政府代表やINGO代表との会合を計20回行いました。
WFDは、5つの公式声明を発表し、危機の中でろう者が直面している現実を強調し、各国政府に行動を起こすよう呼びかけました。
今年のCOSPは歴史的な出来事となりました。CRPD採択の2006年以降、選挙によって2度目となるろう者がCRPD委員に選出されました。選出されたのは、日本のろう者であり、人権専門家である田門浩氏です。田門氏の任期は2025年1月より4年間です。
「第20回世界ろう者会議」の開催地とWFDが連携をし、新たな一歩を踏み出しました。WFD理事長は正式に契約書に署名をしました。署名の際には、「アラブ首長国連邦ろう協会」の理事長であるムサバ・アル・ネヤディ氏(Mr. Musabah Al Neyadi)と「ザイード高等機構」(英語表記:Zayed Higher Organization for People of Determination、略:ZHO)の事務局長であるアブダラ・アブドゥラリー・アブダラ・アル・フマイダン閣下(H.EAbdulla Abdulalee Abdulla Al Humaidan)が立ち会いました。
WFD理事長は、世界盲ろう者連盟(WFDB)の代表者と会談し、この会談は実り多いものでした。ジョセフ・マレー博士(Dr Joseph Murray)は、「国際盲ろう者デー」を正式に制定するための戦略について貴重な見識と助言を提供しました。
WFDは専門家グループを運営しています。専門家グループは、専門家の諮問機関として機能することを目的としています。以下の6つの専門家グループが設置されました。
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