※以下はWFDニュース2024年5月号より抜粋(全日本ろうあ連盟仮訳)
WFD News May 2024 - provisional translation by the Japanese Federation of the Deaf
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WFDニュース - 2024年5月

ろう児の家族の手話言語の権利に関する方針説明書
動画:ろう児の家族の手話言語の権利に関する方針説明書

ろう児のうち95%はきこえる家庭に生まれ、その家族や介護者のほとんどは、自国の手話言語を学ぶ機会を保障されていません。すべての家族は、自分の子どもとコミュニケーションをとる権利を持っています。そして、すべての子どもは、自分の家族のことを理解できるようになる権利を持っています。

WFDは、「ろう児の家族/介護者が手話言語を学ぶ権利」という極めて重要な問題に取り組んでおり、この問題関して、新しい政策文書を発表しました。文書には、以下の5つの重要な事項が盛り込まれています。

  1. すべてのろう児は、手話言語を自然言語として学び、使用する権利を持っています。手話言語を自然言語として学び、使用することにより、ろう児は、教育、健康、全体的なウエル‐ビーイング(訳注)のための強固な基礎を築くことができます。
  2. ろう児の家族・介護者は、手話言語に関する重要な情報を得る機会を頻繁に奪われています。これは、障害者権利条約(障害者の権利に関する条約)に明記されている「ろう児やろう児の家族・介護者の権利」を侵害されているということです。
  3. 政府と「質の高い早期介入サービス」は、ろう児の家族・介護者に対し、包括的な情報と手話言語への完全なアクセスを提供し、こりにより、言語剥奪により生じる更なる障害を防ぐ必要があります。
  4. ろう児が生まれて最初の数年間の時点から、家族・介護者は、ろう児の多言語使用を受け入れ、ろう児の言語的マイノリティとしてのアイデンティティを育むための確固とした支援を必要としています。
  5. ろうコミュニティ出身の貴重な専門家として、ろうの専門家は、手話言語を支持し、ろう児の家族・介護者に向けて重要な支援を提供しています。

【訳注】:
「ウエル‐ビーイング」とは、『デジタル大辞泉』によると、「身体的・精神的・社会的に良好な状態。特に、社会福祉が充実し、満足できる生活状態にあることをいう。」
【引用文献】"ウエル‐ビーイング【well-being】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2024-06-10)

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CRPD委員会にろうの候補者を選出するための運動について
CRPD委員会にろうの候補者を選出するための運動について

WFDは、障害者権利委員会(任期:2025~2028年)の次期選挙について話し合うため、正会員・準会員との会合を開催しました。

これまでに、ろう者で障害者権利委員会の委員を務めた人は2人しかいません。かつ、その期間は2017年から2020年の間の1期のみでした。障害者権利委員会の歴史の大半において、ろう者は十分に代表されてきませんでした。今度の選挙では、WFDはろうの候補者である日本の田門浩氏を支持します。WFDは会員に対し、田門氏の立候補を支援するよう呼びかけました。現在までに、39の正会員・準会員が田門氏を支持する共同声明に署名しています。

WFDの代表団は2024年6月に国連本部に行き、第17回締約国会議(COSP)において選挙運動を支援する予定です。


WFD事務局の会議
WFD事務局の会議

会議

会議

会議

会議

WFD事務局は4日間の会議を開催しました。この会議は、2024年から2027年にかけての目標と行動に向けて取り組む機会となりました。最後の2日間はWFD副理事長のカスパー・ベルグマン(Kasper Bergmann)が出席し、振り返りを行いました。

事務局には現在、世界各地を拠点とする10人の職員がいます。職員の拠点は、フィンランド、米国、ベルギー、ペルー、ケニア、フランス、南アフリカ、コロンビアです。この会議では、職員同士の関係を強化し、より効率的に仕事をできるようにすることを目指しました。


WFDの活動の紹介

米国大使館との会談

米国大使館との会談

WFD代表団は、米国大使館代表と会談し、国務省の国際障害のある人の権利に関する特別顧問(Special Advisor on International Disability Rights)との会談を準備しました。

世界保健総会での発表

世界保健総会での発表

WFD副理事長は、世界保健機関(WHO)の世界保健総会におけるサイドイベントで、きこえの損失に関してWHOが行っている活動について発表を行いました。

新しい方針説明書の発表

新しい方針説明書の発表

オーストリアで開催された「第6回家族中心の早期介入に関する国際会議」において、WFD理事長が新しい方針説明書を発表しました。

訳注:「きこえない子ども、きこえにくい子ども、その家族に対する家族を中心とした早期介入」(英語表記:Family-Centered Early Intervention for Children who are Deaf or Hard of Hearing and their families 、略:FCEI-DHH)という団体が主催した会議です。


WFD事務局の職員が増えました

5月1日、事務局に新しいメンバーであるダニエル・オカンポ(Daniel Ocampo)が加わり、メディア担当に任命されました。

会議


欧州ろう連合(EUD)の評議員会
欧州ろう連合(EUD)の評議員会

2024年5月25日~26日、ベルギーにおいて、WFDの地域パートナー団体である欧州ろう連合(EUD)のメンバーが評議員会を開催しました。

WFDは、EUDによる欧州レベルでの権利擁護活動と、両組織間の良好な協力関係の継続を願っています。


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