国連障害者の権利委員会(CRPD委員会)は、「一般的意見第9号」において、CRPD第11条に焦点を当てることを決めました。第11条は、締約国に対し、危険な状況(武力紛争、人道上の緊急事態、自然災害など)において、障害のある人の保護と安全を確保するようを求めています。
WFDは長年にわたり、様々なテーマでCRPD委員会と密接に協力してきました。
そのため、WFDは、危機の時代におけるろう者の特定の権利を強調するために、第11条に関する「一般的意見」に対する意見を書面で提出しました。ウクライナの戦争やその他の危機的状況から学んだ教訓を例に、WFDは「一般的意見」の草案に盛り込むべき提言をいくつか行いました。これらの提言には、支援や緊急サービスを求める際は常に、専門的で認定された自国の手話言語通訳者を利用する権利が含まれます。すべての緊急関連情報・資料は、各国の手話言語に翻訳すべきです。
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マレーシアでの研修
日本財団が支援する「手話言語権プロジェクト」の一環として、2023年最初の研修を実施しました。8日間にわたり、アレクサンダー・ブロックス(Alexandre Bloxs)(WFD人権担当)とスサーナ・スティグリッチ(Susana Stiglich)(WFD手話言語権担当)が、人権、CRPD、マレーシアにおける手話言語の法的認知の重要性について研修を実施しました。
参加したマレーシアろう協会の理事・スタッフにとっては、手話言語権を保障するための国際条約と権利擁護活動について学ぶ機会となりました。
WHO青年協議会(Youth Council)
WFDYS理事長であるシャーリー・リュー(Shirley Liu)は、スイスのジュネーブで開催された「WHO青年協議会(Youth Council)」に出席しました。この協議会の目的は、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」(訳注1:全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態のこと)、「非感染性疾患」(訳注2:心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれる)、「メンタルヘルス」、「保健医療をリードする若者」などの重要な問題について議論することでした。4日間の会議には、世界各国から、保健医療分野の組織に所属する若者、また、保健医療分野以外の組織に所属する若者が参加しました。
また、世界保健機関(WHO)の事務局長であるテドロス・アダノム・ゲブレイエスス博士(Dr Tedros Adhanom Ghebreyesus)と直接面会する機会にもなりました。
概要のビデオはこちら
国連防災機関は、災害多発地に住む障害のある人についての調査を実施しています。この調査では、ろう者を含む障害のある人に、災害時における懸念、ニーズ、提言を表明するよう呼びかけています。
収集された情報により、2015年以降、危険な状況で生活するろう者が、リスク軽減のための計画や意思決定プロセスにどれくらい関与できているかを評価します。
WFDは、この調査への回答を強くお勧めします。締め切りは、2023年3月3日です。
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訳注1:ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
厚生労働省HPでは、以下のように説明しています。
「WHOは設立された1948年に健康が基本的人権であることを宣言しました。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage(UHC))とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を指します。」
引用文献:
厚生労働省「2018年世界保健デーのテーマは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」です。」 (2023/2/27アクセス)
訳注2:非感染性疾患
「e-ヘルスネット」HPでは、以下のように説明しています。
「世界保健機関(WHO)は」(訳注:生活習慣病と)「似たような概念として、NCDs(Noncommunicable diseases、非感染性疾患)という用語を用いています[2]。NCDsには心臓病、脳卒中、がん、糖尿病のほか、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性肺疾患が含まれます。」
引用文献:
e-ヘルスネット「生活習慣病とは?」(2023/2/27アクセス)