※以下はWFDニュース2021年12月号「2021年: 例外的な年」より抜粋(全日本ろうあ連盟仮訳)
WFD News December 2021 "Review 2021" - provisional translation by the Japanese Federation of the Deaf
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2021年: 例外的な年

ワクチンが世界中に流通し始めたことにより、程度は低くなったものの、2021年は、引き続き新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいました。WFDは、コロナ禍における一貫したアクセスを確保するために、国際的な場での進展を監視し続けました。WFDは、コロナ禍における最良の方法(ベストプラクティス)を強調するために、いくつかのプロジェクトを開始し、いくつかの声明を発表しました。WFDは新型コロナウイルス感染症やその他の課題に立ち向かい続け、世界のろう者の権利のために戦い続け、世界のろう者を支援するために活動し続けます。

今年、WFDは創立70周年を迎えました。世界のろうコミュニティへの贈り物の一環として、12回のウェビナーを開催しました。これらのウェビナーでは、様々な話題を取り上げ、様々な分野のろうの専門家を含む世界中の討論者(パネリスト)が参加しました。ウェビナーは、WFDのウェブサイトでご覧いただけます。

2021年9月23日は、WFD70周年の公式な記念日でした。WFDの正会員であるイタリアろう協会(Ente Nazionale Sordi、ENS)は、WFDを招待し、イタリアのローマ(WFDが設立された場所)で特別な祝賀会を開催しました。

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2021年の活動

WFDの活動は、WFDと、WFDの正会員 (WFDの会員を構成する各国のろう協会)とが連携することを優先しています。今年、WFDの正会員は、131会員に増えました。WFDは、zoomを使って、協調的な対話による協議を行いながら、活動を続けてきました。また1年を通して、zoomと対面で、地域事務局会議にも参加しました。

2021年は、WFD事務局の構成に変化がありました。現在、新しい事務局長を加えて、合計10名のスタッフ(プロジェクト助成金によるスタッフを含む)がいます。

また、WFDは、5つの団体と新たな協力関係を結び、活動の範囲を拡大しました。これらの協力関係により、WFDの成長力を支え、障害に対する国際的な意識と権利をWFDがさらに擁護することを可能にし、他の重要な業務で情報を回覧し配布させることも可能にします。

WFDの活動の中心は、世界中のろう協会とのつながりです。この協力関係は、強く、不変のものです。WFDは引き続き、障壁と戦い、世界のろうコミュニティとの対話を続けます。

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2021年の権利擁護活動の実績

WFDの活動は、4つの分野における人権を実現するための、10年間にわたる戦略計画に沿っています。

  • 手話言語の認知
    この分野のプロジェクトでは、各国のろう協会への支援、ウェビナー、ツールの提供などを継続して行っています。自国の手話言語を認知している国の数は継続的に増加しており、現在69カ国になっています。
  • ろう協会によるリーダーシップ
    WFDは、活動のすべての分野において、「私たちのことを私たち抜きで決めないで」という原則を守っています。WFDは、障害者権利委員会のような人権団体に、ろう者の代表者を置くべきだと強調してきました。また、手話言語を教えることや手話言語学の研究に関連するすべてのプロジェクトを、ろう者が主導するよう提唱しています。

    WFDは、人道支援の分野における能力の拡大に努めています。この目標に沿って、災害や人道的緊急事態においてろう者が取り残されることのないようにするWFDの活動を支援するため、新たに防災専門家グループを設立しました。

    WFDは目標に向かって活動を続けています!
  • 機会の均等
    WFDの重要な活動は、すべてのろう者が生活のあらゆる分野において均等な機会を得られるようにすることです。WFDは、アフリカのろう者の雇用に対するアクセスについて学ぶプロジェクトを実施しました。最終報告書の結果は、雇用へのアクセスに関するアドバイスや最良の方法(ベストプラクティス)を提供することで、世界のろうコミュニティの支援に取りかかることができるものでした。

    WFDは、世界中のろう者の権利を確保するために、通訳、雇用、生活のあらゆる分野へのアクセスを求めて戦い続けます。
  • 完全なインクルージョン
    今年、WFDは「交差性」に注目し、WFDの活動や加盟協会の活動に、どのように交差的なアプローチを取り入れることができるかを考えました。WFDは、WFDの活動や加盟協会の活動において、交差的なアプローチの知識を増やすことを目指しています。ろうコミュニティは多様であり、交差的な性質を持っています。WFDの活動に新たな視点をもたらすために、さまざまな組織と新たな協力関係を構築しています。手話言語を通じた完全なインクルージョンというWFDの目標は、多様なろうコミュニティのすべての人達を完全にインクルージョンすることも含まれます。

    WFDは、世界中のすべてのろう者の尊厳と固有の人権の尊重を確保するために、確固たる姿勢で臨んでおり、特に、ハイチやアフガニスタンでの人権侵害について、国連、国連児童基金(ユニセフ)、国連難民高等弁務官事務所、米州機構に注意を促してきました。

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2022年に向けて

2022年は新しい年であり、新しい機会があります。

WFDは、4月にタイのバンコクで開催される第4回WFD国際研究大会 を楽しみにしています。この研究大会は、インクルーシブ教育というテーマに取り組むために、WFD正会員の能力開発に焦点を当てた新しい形式です。この研究大会では、教育現場でろう者をインクルージョンするとはどういうことなのか、その答えを出すことを目指します。

日本財団との「手話言語権プロジェクト」は、2年目も継続しています。WFDは、自国の手話言語の法的認知を目指している各国のろう協会を支援するという目標に向けて、活動を続けています。

2022年は、つながり、交流、連携の新たな機会を持つ新しい年です。私たちは一緒に多くのことを成し遂げることができます!

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ろう者の権利のためにWFDの活動を支援する

WFDの個人会員になることで、世界中のろう者の人権のための戦いを前進させることができます。
私たちは一緒に多くのことを成し遂げることができます。

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