2021年7月2日の情報
世界ろう連盟は、過去5年間にハイチで何人もの若いろうの女性が集団レイプされ、残酷な拷問を受け、臓器を抜き取られ、殺害されたという報告を受けました。WFDは、ろう者、特にハイチのろうの女性と少女に対する組織的な人権侵害について、沈黙と無関心を破るために立ち上がっています。
WFDは、NGO「オフ-ザ-グリッド・ミッション(OFF-THE-GRID Missions)」と協力して、ハイチのろうコミュニティを支持し、国連機関に即時かつ具体的な行動を求めることに賛成する請願書を支持しています。WFDは、これらの事例にコミュニケーションをとり、必要な行動を厳しく追及していきます。
WFDのプレスリリースを読む:https://bit.ly/3jDeFBI
嘆願書はこちら: https://bit.ly/3dD0PLJ
2021年8月20日の情報
WFD事務局では、この状況に対して正確で適切な対応をするために調査を行いました。WFD事務局が考える権利擁護のポイントを明確にした後、国連の人権部門に提出し、進行を依頼しました。国連は現在、WFD事務局による論点や提案を分析しているところです。同時にWFDは、ハイチのろう者との率直な対話を開催し、どうすればハイチのろう者を他の人と同等の地位に引き上げることができるのかについて、彼らの考えや懸念、視点を共有することを奨励しています。つまり、WFDはこのニュースに対して2つの大きな戦略を実行しています。国連との連携と、ハイチのろうコミュニティとの直接のコミュニケーションです。WFDはハイチや世界中のろう者の権利のためにここにいます。
障害者の権利に関する条約(障害者権利条約) (CRPD)は、手話言語の権利を明示的に認めている唯一の国際的な法的文書です。5つの条文に手話言語に関する8つの記述があり、CRPDはろう者の人権を保証する重要な手段です。第21条(e)は、締約国が自国の手話言語を法的認知する義務を明確に認めています。しかし、CRPDを批准した182の締約国のうち、法的手段によって自国の手話言語を公式に認知しているのは62カ国のみです。CRPD締約国の66%が、まだこの義務を果たしていません。
この課題に取り組むために、世界ろう連盟は、すべてのろう者の人権を達成するための推進力として、各国の手話言語を法的認知することを促進するための世界的なキャンペーンを行っています。このキャンペーンの一環として、現在WFDは、手話言語権ツールキットを作成しています。手話言語権ツールキットは、各国のろう連盟やその他の政策立案者が、各国の手話言語の法的認知に取り組む際に指針となります。
今回のウェビナーでは、人権の観点から各国の手話言語の法的認知に取り組むことの重要性について説明します。ウェビナーでは、手話言語の法的認知の既存の種類(憲法上の認知から手話言語法による認知まで)を紹介します。その後、手話言語権に関するツールキットを提示し、推進します。
ワールド・プライド・コペンハーゲン2021(World Pride Copenhagen 2021)
WFDのジョセフ・マレー理事長は、「ワールド・プライド・コペンハーゲン2021」と、「テグンブエン(Tegnbuen)」(デンマークのろうのLGBTQIA+団体)に招待され、「ワールド・プライド人権会議(World Pride Human Rights Conference)」と、同会議の「バーチャルろう者LGTBQIA+トラック」に出席し、プレゼンテーションを行いました。
マレー理事長は、ろうLGBTQIA+コミュニティに対するWFDの関与を深めました。また、イベントのハッシュタグ「#YouAreIncluded」の主旨に従い、LGBTQIA+コミュニティ(手話をするろう者を含む)内のすべてのプログラムや活動において、すべての人を真に包括する義務があることを、各国政府やLGBTQIA+ のNGOS・団体に念押ししました。
「ウィメン・エネイブルド・インターナショナル(World Enabled International)」との会議
WFDの交差的な人権活動へのアプローチを拡大する一環として、WFDは、「ウィメン・エネイブルド・インターナショナル(Women Enabled International )(WEI)」(障害のある女性のための国際的な人権団体)と共同の研修や意識向上活動を行っています。WFD理事長と人権チームは、WEIのスタッフと会い、ろう者の人権問題に関する研修を行いました。
この協力関係は、2021年10月に行われるWFD理事会とスタッフを対象としたWEIによる研修で継続されます。
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