※以下はWFDニュース2021年6月号より抜粋(全日本ろうあ連盟仮訳)
WFD News June 2021 - provisional translation by the Japanese Federation of the Deaf
WFDニュース2021年6月号に戻る

第14回締約国会議(COSP)サイドイベント

サイドイベント

国連障害者権利条約(CRPD)第14回締約国会議(COSP)において、世界ろう連盟(WFD)と日本財団(TNF)は、2回目のサイドイベントを主催します。

2021年6月17日(木)
午前8時30分(ニューヨーク時間)
午後3時30分(ヘルシンキ時間)
午後9時30分(東京時間)

各国の法的枠組みや政策において手話言語権を保証することの重要性

ろう者の言語的・文化的権利を認知する法的措置を採択している国は、わずか63カ国です。この懸念される数字は、命を守ることに関わる情報、教育、社会のあらゆる分野への参加に、自国の手話言語によってアクセスするというろう者の人権がいかに無視されているかを表しています。各国の手話言語の意義ある法的認知は、人権のより良い達成と2030アジェンダの実現につながります。

このサイドイベントは、締約国の代表者を対象としています。目的は、ろう者が自分の好む言語を使うことに関して直面している差別や疎外を次第になくすために、各国の手話言語の意義ある法的認知を採択することの重要性、平等な社会を徐々に達成する重要性を強調することです。

これに関連して、WFDは、「手話言語権を達成するためのガイドライン(Guidelines for Achieving Sign Language Rights)」と題したツールキット(訳注)を作成しています。このツールキットは、各国の全国規模のろう協会(National Associations of the Deaf、NAD)を対象に、自国の手話言語の意義ある法的認知を主張することの重要性について理解を深めるために開発されています。さらに、このツールキットは、手話言語の認知が有効になった後に実施される政策を強化するための新しい戦略を開発する方法を示すものでもあります。

WFDとTNFは、第14回COSPの勢いに乗じてサイドイベントを開催し、手話言語についての認識と、手話言語の法的認知によって、どのようにすべてのろう者の人権実現が可能になるかの認識をさらに高めたいと考えています。

本イベントでは、パネリストが以下のテーマについて議論します。

  • 手話言語権について語る意義。
  • 各国の手話言語が公式な認知を得ることの重要性。
  • 手話言語権に関するWFDのツールキット。
  • 組織された市民社会の代表者は、どのようにして手話言語権を主張することができるか?
  • 手話言語を認知している典型的・模範的な法律とはどのようなものか?
  • 公用語としての手話言語に関する既存の政策や法律を強化するにはどうしたらよいか?
パネリストは以下の通りです。
  • 樺沢一朗 - 日本財団 常務理事
  • ジョセフ・マレー - 世界ろう連盟 理事長
  • ニクソン・カキリ - 政治家、ケニアろう協会(KNAD) 理事長
  • キャロライン・B・ダガーニ - フィリピンろう連盟 理事長
  • ハイメ・ナランホ議員 - チリの国会議員
  • スサーナ・スティグリッチ - 世界ろう連盟 手話言語権担当、司会
チラシ

このイベントは、政府のリーダーを招待する機会にもなります。WFDは、このチラシを政府のリーダーに送ることをお勧めします。

ダウンロード http://wfdeaf.org/news/resources/cosp-2021-side-event/

言語
国際手話
国際手話
英語の音声
英語の音声
英語の字幕
英語の字幕
共催者
WFDロゴ
日本財団ロゴ
「締約国会議(COSP)」とは?

障害者権利条約 (CRPD)は、2006年12月13日の総会で決議61/106として採択されました。2008年5月3日、20カ国目の批准により発効しました。この条約の第40条では、「締約国は、この条約の実施に関する事項を検討するため、定期的に締約国会議を開催する」と規定されています。

会議の様子COSPは、毎年、ニューヨークの国連内で開催される国際会議です。障害者権利条約(CRPD)の締約国が一堂に会し、条約の実施に関するあらゆる事項を検討します。COSPでは、市民社会組織(CSOs)、政府、その他の団体がテーマ別のサイドイベントを開催することができます。COSPに先立ち、COSP開会式の前日に市民社会フォーラムが開催されるのが恒例となっています。2008年以降、国連では13回の締約国会議が開催されています。

社会的距離の対策のため、今年のCOSPはバーチャルで開催されます。つまり、皆さんはリアルタイムでCOSPをご覧になれます。COSPでは、主要なディスカッションに加えて、多くのサイドイベントが開催されます。サイドイベントは、市民社会団体やパートナー、政府機関が主催し、CRPDに関連して生じる重要な問題を取り上げます。

第14回CRPD締約国会議についての詳細はこちらをご覧ください。

訳注:ツールキット(toolkit)
「何かを達成するために必要なもの(the things that you need in order to achieve sth)」
{オックスフォード現代英英辞典(Oxford Advanced Learner's Dictionary)より引用}

WFDニュース2021年6月号に戻る