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※(財)日本障害者リハビリテーション協会の協力による仮訳

「アジア太平洋障害者のための、インクルーシブでバリアフリーな、かつ
人権に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」
の実施に対するモニタリングに関する地域ワークショップ

2004年10月13-15日、バンコク・タイ



キャパシティ・ビルディング(能力開発)と技術協力:
障害の影響評価と障害に対する予算
発表者:長田こずえ
UNESCAP:国連アジア太平洋経済社会委員会
障害担当官
(原文:http://www.worldenable.net/bmf2004/slidestechcoop.htm


スライド1 「アジア太平洋障害者のための、インクルーシブでバリアフリーな、かつ
人権に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク(BMF)」
の実施に対するモニタリングに関する地域ワークショップ
2004年10月13-15日、バンコク・タイ

能力開発と技術協力:障害影響の評価と障害に対する予算

UNESCAP長田こずえ
スライド2 貧困と障害(ダイナミズム)
循環図
  • 開発の遅れ/不十分なインフラ整備
  • 低経済開発/貧困
  • 栄養不良/社会不安/テロ/地域紛争
  • 障害/不十分なサービス
  • 機能障害/生産性の低さ/人的資源開発の不足
スライド3 主要な2つのパラダイム
  • 社会開発モデル:ツイン・トラック・アプローチ(障害を持つ人々の主流プロジェクトへの統合、CBR、貧困緩和への取り組み、MDG目標(国連ミレニアム開発目標)実施、など)
  • 人権に基づいた取り組み:障害者権利条約の実現、国内法の整備、自助グループ、医療モデルから社会モデルへの移行、など
スライド4 障害を持つ人々と開発:地球規模の戦略に向けて
  • 障害を持つ人々と開発政策:二国間機関:米国開発庁(USAID)、全米希少疾患患者組織(NORD)、国際協力機構(JICA)、英国開発庁(DFID);
  • 多国間機関:世界銀行(World Bank)、アジア開発銀行(ADB)、など
  • 国際NGO;セーブ・ザ・チルドレン
  • 開発プロジェクトにおける障害の統合(非差別化);
  • 英国開発庁の障害、貧困、開発に関する報告、SIDA(スウェーデン国際開発機関)報告、NORDの障害と開発報告、JICAの取り組み、など。
スライド5 障害と開発問題へのツイン・トラック・アプローチ
  • 障害を持つ人々の統合:様々な分野にまたがる障害問題;障害を持つ人々の社会モデルの促進
  • 女性差別と同様に認知されにくい障害差別;
  • ツイン・トラック・アプローチによる(女性差別と同様の)、障害問題のメインストリーミングと障害者のエンパワーメント;
  • CBR、能力開発、リハビリテーション、訓練など通じたエンパワーメント。
スライド6 障害の統合及び障害影響の評価
  • (計画、設計、実施、監視、アセスメントといった)あらゆる段階における障害を持つ人々の活発な参加;
  • クロス・セクター方式(分野別の枠組みにとらわれないアプローチ);
  • 障害者組織とNGO団体の共同プロジェクト;
  • ODA(政府開発援助)関係者およびプロジェクトスタッフの障害問題に対する認知感覚の向上訓練;
  • 障害者のインパクト(影響)を評価するツールおよび評価メカニズムの開発;
  • 障害に対する予算
スライド7 障害を持つ人々の統合(範例)
  • インフラ施設プロジェクト:バリアフリー及びユニバーサルデザインの使用
  • 障害を持つ人々の訓練計画における非差別性(どの程度の人数が参加しているか。いない場合、その理由は?)
  • 開発機関における障害を持つ人々の雇用増加;
  • 障害問題に対する認識向上のための企業内研修
  • バリア・フリーの研修カリキュラム(例.点字、点字コンピューター、アクセスブルなオンライン情報、アクセシブルなデジタル情報);
  • 障害を持つ児童の統合(インクルーシブ)教育の促進 (プロジェクトにより裨益する障害を持つ児童の数は?)
スライド8 障害を持つ人々のエンパワーメント(範例)
  • 自助グループ、障害者組織への支援、など;
  • リハビリテーション(医療、職業、社会など、すべての種類におけるリハビリテーション・プロジェクト);
  • ロビー活動と権利擁護の力
  • 障害を持つ人々のためのCBRおよびその他の地域に根ざしたプロジェクトと自立生活支援プロジェクト。
スライド9 評価ツールについて
  • プロジェクトが障害を持つ人々と関係しているか?・・・公共輸送、建物、小規模事業、地方の開発、社会福祉や公共サービス、などに関連したプロジェクトであれば、答えはYES。
  • プロジェクトは、どの程度まで障害者と関係しているか?(医療サービスなど、障害者には特に影響のあるもの、他の人々と同様の程度に影響のあるもの、間接的に関係するものなど、障害者への程度はさまざま)
  • PWD(障害を持つ人々)は、プロジェクト立案、モニタリンク、および評価プロセスに参加しているか?
  • プロジェクトは国際的基準、標準に合致しているか (WPA (障害者世界行動計画)、障害者の機会均等化に関する基準規則、障害者の権利条約、など)?
スライド10 評価ツールについて(続き)
  • プロジェクトには、その受益者であり当事者である障害を持つ人々に裨益することを保障する特定の方法はあるのか?
  • アクセスビリティー、平等、安全、低価格、入手可能、使いやすさ、実用性、志向;
  • プロジェクトは障害を持つ人々にとって、マイナスの影響はないのか?
  • プロジェクトの継続の可能性は?
  • プロジェクト報告書には、障害の影響は評価されていたか?
  • 最終評価プロセスには障害の影響評価は含まれていたか?また、誰がそのプロセスに参加するのか。
スライド11 ODA政策チェック・リスト
  • 開発機関には、公式な障害統合政策が存在するのか?
  • 政策は国際的に認められた基準、標準に適合しているのか(例えば、ICF(国際生活機能分類)、障害者の機会均等化に関する基準規則、WPA (障害者世界行動計画)、BMF(びわこミレニアムフレームワーク)など。)
  • 全てのプロジェクトにおいて、障害のインテグレーションの達成度(%)は?
  • 障害を持つ人々の統合をチェックするモニタリング機構とはどのようなものか?
スライド12 障害に対する予算
  • 障害関連予算 対 女性差別禁止関連予算:
  • 受益者の人数調査
  • プロジェクトの中で、障害を持つ人々の裨益のために割り当てられた予算はどの程度か (例えば、カンボジアのILO(国際労働機関)プロジェクトでは、5%の訓練生が障害を持つ人々であった);
  • 障害を持つ人々の統合促進のために、特に割り当てた追加予算はあるのか(例、カンボジアのプロジェクトでは、追加予算により、障害を持つ訓練生の割合が15%に増えた)。
スライド13 ご清聴ありがとうございました。



最終更新 2004年10月4日
財団法人 全日本聾唖連盟

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