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ニュージーランド政府に手話の法的認知の動き

〜 今までの経緯 〜
(全日本ろうあ連盟 仮訳)

過去には、ニュージーランドのろう者がニュージーランド手話を使用することを厳しく禁じた時代もある。これはおそらく、手話が真の言語ではなく、音声言語に劣ると言う長い間の誤解に起因する措置であったと思われる。更に、音声で話し、読唇で相手の話を理解する、いわゆる口話法を身につけたほうが、手話を使用するよりもろう者のためになると言う考えもあった。

現代の言語学的研究によって手話が真の言語であることは確認された。読話は非常に難しく、憶測や想像に頼る部分が多い。手話に変わるコミュニケーションとしては不十分である。

多くのろう者にとって、英語は第二言語である。ろう者の就学率は依然として低く、英語の読み書きに関する教養レベルも非常に低い。ニュージーランド手話を使用することで,ろう者は英語、マオリ語をはじめとする、他の言語の理解も容易になり、教養レベルの向上につながる。

2003年5月~6月に、障害問題局は、五つの主要なセンターでろう者との会合を開催した。これらの会合の目的はニュージーランド手話法案の必要性と重要課題について認識を深めることにあった。これらの会議から3つの大きなテーマが浮上した:
  • 政府及び社会のろう者に関する認識が非常に低いこと。
  • 国のサービスを享有できるろう者が非常に少ない。国が提供するサービスへのアクセスに関する国の意識とろう者の意識のズレ。
  • 手話通訳サービスの普及に対する不十分な予算配分。
ニュージーランド手話が、音声言語と同等の言語であるという認識は低く、その結果様々な不当な扱いが起きている。訴訟手続きなどの際、手話通訳の使用が認められなかったケース、手話の使用が攻撃的な態度と誤解されたケースなどが報告されている。医療の場において、資格を有する手話通訳者が居なければ、誤診、あるいは不十分な情報提供などの心配がある。これらのケース報告は法案の作成に使用された。

原文 (ニュージーランド政府社会開発省障害問題局ホームページ内)

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更新日:2004年1月16日