内閣官房に聴覚障害者の福祉施策について要望書を提出

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 全日本ろうあ連盟は、内閣官房へ首相官邸記者会見での手話通訳について、テレビ放送、特に民放でも100%手話通訳者が映るよう、今よりも発言者の近くに手話通訳者を配置することを求めました。
 内閣官房からは、主催の内閣記者会との調整が必要である旨の説明をいただくとともに、要望の有る無しに関係なく、すべての国民に情報を発信できるように、より良い方法はないかどうか常に考えていきたいという回答をいただきました。

要望書を提出

連本第190227号
2019年7月16日

内閣総理大臣
 安倍 晋三 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8階
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理 事 長 石野 富志三郎

聴覚障害者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて当連盟は、本年6月16日宮城県仙台市において開催された第67回全国ろうあ者大会にて、聴覚障害者の福祉施策に関する大会決議を行ないました。つきましては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。
 現在、「障害者差別解消法」および「バリアフリー法」等により、障害者に対する合理的配慮や支援についての取り組みが広まってきつつあります。しかしながら、対応については地域差があるなどまだまだ改善すべき課題は残っています。すべての国民が安心、安全に生活ができ、そして円滑な移動ができるよう、より一層の環境整備を講じていただきますよう、お願い申し上げます。

1.首相官邸の記者会見等においてろう者にも内容が分かるよう、手話通訳士の資格を持つ手話通訳者を話者のすぐ隣に配置し、テレビ放映において手話通訳者が映るように見直してください。

<説明>
 2011年3月11日の東日本大震災の発生後、首相官邸の記者会見には手話通訳が付くようになり、長年、手話通訳による情報保障を求めてきた我々にとっては大きな前進でした。
 諸外国では大統領や首相などの要人であっても、すぐ隣に手話通訳者が立ち、話者と手話通訳者をひとつのカメラで撮影し、テレビ画面に両者が最後まで映ることで情報保障がなされています。しかし、首相官邸の記者会見では話者と手話通訳者の立ち位置が離れており、別カメラで収録しているため、テレビ放送では手話通訳者が映らないことが多くあります。
 「政府インターネットテレビ」で手話通訳者を含めた動画配信を行うのと同様に、全ての市民の知る権利を尊重するためにも、首相官邸での記者会見では話者のすぐ隣に手話通訳者を配置する方法で、テレビ放送において手話通訳者が映るように見直ししていただきたくお願いいたします。

以 上

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