文化庁に文化振興施策について要望書を提出

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 文化庁へは、6/13に施行された「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」をふまえ、情報保障を行った鑑賞機会の拡大の要望とともに情報保障等の鑑賞活動支援に対する補助事業の継続の検討を提案しました。国立博物館や国立美術館では、さまざまな視覚案内やヒアリングループの設置等を行っているが十分とは考えていない、手話通訳を配してのイベントは少なく進んでいないので、一緒に改善したいとの話がありました。
 プラネタリウムでの字幕問題、資料館等の語り部の手話通訳の付与拒否問題等説明し、文化庁が事例を集めて好事例はHPにアップするなどの取り組みも提案しました。

要望書を提出
意見交換

連本第180231号
2018年7月17日

文化庁長官
宮田 亮平 様

〒162-0801東京都新宿区山吹町130SKビル8階
 Tel03-3268-8847・Fax03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

きこえない・きこえにくい人の文化振興施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より私どもきこえない・きこえにくい人(以下、「きこえない人」)の文化活動にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて当連盟は、2018年6月10日大阪府大阪市において開催された第66回全国ろうあ者大会にて、きこえない人の福祉施策や文化施策に関する大会決議を行いました。つきましては、下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。
 なお、我が国は2014年にようやく「障害者権利条約」を批准し、2016年4月より障害者差別解消法が施行され、障害者を取り巻く環境は一歩前進しましたが、文化的な活動時の課題の改善に取り組む姿勢はまだまだ見られません。当連盟は「手話言語法」の制定を視野に入れ、きこえる人と同様の文化的な生活が享受できるよう、きこえない人の文化芸術活動の環境整備を強く求めます。
 今後、きこえない人ひいては国民全体のために、より一層の課題改善に取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

1.文化施設における展示物等の解説や案内において、きこえない人のための情報保障を確実に整備して下さい。

<説明>
 博物館や美術館等の文化施設では、学芸員による解説やイヤホンガイド・音声言語によるガイド等がありますが、きこえない人に対する解説や案内は十分ではありません。手話通訳付きの解説を行う日程を公表したり、事前予約をすれば手話通訳や要約筆記を手配してくれる施設もありますが、ほんのごくわずかです。学芸員が手話言語による解説を行うことはもちろん、音声言語の解説・案内を印刷配布する、展示物ごとにタブレット端末などにQRコードをかざすことで解説文や手話言語動画を表示するなどITを活用した方法も考えられます。
 きこえる人と同様に、きこえない人がいつでも好きな時に文化を楽しめるよう、手話言語等による鑑賞の機会拡充とともに、きこえない人の文化芸術活動全体を推進させる具体的な取り組みを行ってください。

以 上

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