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ビル・ムーディ

全米手話通訳者協会(RID)認定手話通訳者


言語: 英語、フランス語、アメリカ手話(ASL)、フランス手話(LSF)、国際手話
 
学歴: シカゴ芸術学院、修士号(MFA)、1974年
トリニティー大学、サンアントニオ校、学士号、1971年


ビル・ムーディはニューヨークに在住。プロの手話通訳者として30年以上活躍してきた。アメリカ手話(ASL)通訳者としての活動は演劇、言語学学会、教育、医療など幅広い分野に及ぶ。

1977年から1983年まで、フランスのパリに暮らし、インターナショナル・ビジュアル・シアター (フランスのろう者劇団、IVT)の専属手話通訳として働いた。この間、「ろう者の手が織り成す手話」(Sign Language: in the Hands of the Deaf)と題された、フランス手話の歴史と文法に関する本を出版した(1984年出版、1998年改訂)。IVTの通訳として、この劇団のろう者とともにヨーロッパ各地を旅し、その中で国際手話を発見する。

1991年の世界ろう者会議(東京)

1977年にWFDの国際手話通訳としての活動を開始した。国際手話のスペシャリストとして、それ以後に開催された全てのWFD世界ろう者会議の通訳を担ってきた(フィンランド、オーストリア、日本、オーストラリア、カナダ)。日本のろう者の中には、1991年に東京で開催された世界ろう者会議の時の国際手話通訳者チームを覚えている方がいるかもしれない。ルー・ファント、マリー・フィリップなどとともに、ビルもこのチームの一員として活躍した。

ビルのサイン・ネームはフランスのろう者がつけた。彼は鼻炎などのアレルギーのため、手話通訳中もしばしば鼻を触る癖があったが、この癖を捉えて「親指で鼻をこする」というサイン・ネームが付けられた。東京での世界ろう者会議の際も、彼はどこでもハンカチを出しては鼻をよくかんだ。(会議終了後にある人から、日本では公衆の面前で鼻をかむのは失礼とされていると聞かされ、恥ずかしい思いをしたそうである。)「日本人は、そのような失礼なことをした私を少しも軽蔑にせず、常に親切に接してくれた。日本の人たちの優しさには感銘を受けた」とビルは述べている。

その後、1996年にマレーシアで開催された「バイリンガルろう教育、アジア太平洋会議」と2002年に日本の札幌で開催されたDPI世界会議の国際手話通訳として、ビルは二度アジアを訪れている。2002年に来日した際には、箱根や京都を観光し、日本文化に深い感銘を受ける。大阪は今回がはじめての訪問である。

ビルはこれまでWFDの理事会 (ヘルシンキ、モスコワ、ウィーン、ブライトン、パリ、東京、バンクーバー、ジュネーブ、ウィーン)、国連障害問題専門家パネル(エストニア、フィンランド、ニューヨーク)、世界情報通信フォーラム(ジュネーブ)、国連障害者の権利条約のためのアドホック特別委員会(ニューヨーク)など、数々の国際会議の通訳も担当してきた。

彼は国際手話に関するいくつかの記事を書いている。最も新しい記事はRID(全米登録通訳者協会)の「通訳ジャーナル」(Journal of Interpretation、2002)に掲載された。

著書:

1979 「ろう者の国際的コミュニケーション」(La Communication Interenationale Chez les Sourds), Reeducation Orthophonique 誌、第17巻、107号、p.213-224、パリ
1987 「国際ジェスチャー」、ギャローデット大学ろう・ろう者百科事典,ニューヨーク、Mc Graw-Hill 出版
1987 「フェルディナンド・ベルティエ」、ギャローデット大学ろう・ろう者百科事典、Mc Graw-Hill 出版
1989 「ろう者の国際コミュニケーション」(Communication Internationale en Milieu Sourd)、パリろう学校創立200年記念に発行された記念誌(Le Pouviour des Signes)に掲載。
1991 「米国のろう者と聴者の間の通訳を担う」(Interpreting for Deaf and hearing people in the United States)、「ろう社会、教育とアクセス」に掲載、p.145-151、
フランスーアメリカ財団発行
1998 「ろう者の手が織り成す手話」(La Langue des Signes: Entre les Mains des Sourds)、インターナショナル・ビジュアル・シアター出版、パリ
2002 「国際手話: ある使用者の考察」(International Sign: A Practitioner's Perspective)、通訳ジャーナル、全米手話通訳者協会発行

手話指導経験:

1987−現在 WFD世界ろう者会議の国際手話通訳者の指導
1989,2002 デフ・ウェイの会議通訳者のための国際手話指導
2000−現在 ASL文法入門、ニューヨーク市教育局主催
2000−現在 読み取り通訳技術、ニューヨーク市教育局主催
2002年―現在 ASLにおけるCL(分類辞)の基本、ニューヨーク市教育局
2004年 全日本ろうあ連盟の国際手話通訳者指導、〔大阪〕


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