2004年10月6日

総務大臣 
 麻 生 太 郎 様

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財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 安藤豊喜

三位一体改革「国庫補助負担金廃止」に関わる
聴覚障害者福祉施策拡充のお願い

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 この度の国の施策である「三位一体改革」については、私ども聴覚障害者も非常に大きな関心を持って、その動向を注視してまいりました。
 中でも、8月に地方6団体から提案された税源移譲対象「国庫補助負担金廃止の具体案」のリストに障害保健福祉関係の「在宅福祉事業費補助金」が含まれたことには、驚き、非常に困惑しております。
 この在宅福祉事業には、私たち聴覚障害者が地域で生きていく上で、必要不可欠な「障害者自立支援・社会参加総合推進事業(手話通訳関連事業)」が含まれています。
 昭和45年に国の補助事業として手話関連事業が開始されて以来、手話通訳者養成事業・手話通訳者設置事業・手話通訳派遣事業等と、厚生労働省は私たちの要望に沿って、聴覚障害者の言語である手話が社会的に認知され、聴覚障害者が一人の市民として自立した生活が送れるようにと、その施策を進めてきました。
 しかし、市町村における手話通訳派遣事業の実施は、いまだ4%にしか過ぎません。このまま国の補助方式が廃止された場合、地方自治体がその限られた予算の中で、現在でも4%しか実施されていない手話通訳派遣事業を、実施してくださる所が果たしていくつあるでしょうか。ますます地域格差が生じ、同じ聴覚に障害を持つ者でも、地域によってその生活が大きく左右されてしまうのではないかと、大きな不安と危惧を抱いております。
 また、地方6団体の提案には補助金を廃止しないものとして、「格差なく国による統一的な措置が望まれるもの」とあります。障害者が生活していく上で必要不可欠な施策は、正にこの「格差なく国による統一的な措置」に含まれると考えます。
 上記私どもの意をお汲み取りいただき、手話関連事業を含む「在宅福祉事業費補助金」が国の事業として存続されるよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

以   上