2005年3月14日

集中豪雨時等における情報伝達及び高齢者等の避難支援に関する検討会
座長 廣井 脩 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
tel 03-3268-8847・fax 03-3267-3445
財団法人全日本聾唖連盟
理事長 安藤豊喜

災害時における聴覚障害者の避難支援について

 日頃より財団法人全日本ろうあ連盟の事業について格別のご支援、ご配慮に預かり厚くお礼を申し上げます。
 さて、目下内閣府において、災害時要援護者の避難支援に関するガイドラインが検討されていることと存じます。避難場所の整備も大きな課題でありますが、財団法人全日本ろうあ連盟として下記についてのご検討をお願い申しあげます。

1. 集中豪雨時等の避難所指定施設に、聴覚障害者の情報保障を目的として、厚生労働省指定の聴覚障害者情報受信装置(商品名アイ・ドラゴンII)を設置すること。

 (説明)
 緊急災害時において聴覚障害者が最も必要とするのは、避難所でのテレビ放送等における情報保障であります。
 手話通訳者の設置・派遣が理想的でありますが、手話通訳者が仮にその地域にいたとしても、その地域の人々と同様に被災される可能性が高いと思われます。よって、手話通訳者としての活動を求めることは困難です。これは最近の緊急災害で指摘されている問題でもあります。また、被災地域の周辺から手話通訳者が派遣されるまで時間がかかります。
 その間、聴覚障害者が緊急災害に関わる避難・救援及び安否情報など情報源として期待できるものは、皆さんと同様、避難所に常時設置されているテレビでの放送内容です。しかし、一般のテレビ機器には「手話と字幕」を映し出す機能がなく、そのままでは聴覚障害者に具体的な情報を提供できるものとはなりません。
 そこで、字幕(クローズドキャプションまたはリアルタイム字幕)付与によって情報保障を得られる機能を主とし、緊急災害時に聴覚障害者を対象とする緊急放送「目で聴くテレビ」の視聴も可能となる、厚生労働省指定の聴覚障害者情報受信装置(商品名アイ・ドラゴンII)を、避難所に常時設置のテレビ機器に接続することが重要となります。
 なお、同装置は緊急災害時に設置する方法では、作業に一日以上の時間を要します。緊急災害「初期」に、同装置の機能を最大限に活用するためには、避難所に指定されている施設において、常時設置・常時稼働とすることが不可欠な施策となります。

以  上