2004年9月2日

著作権法改正に関する要望事項



要望の趣旨 自動公衆通信において、公表された著作物に対し文字及び手話の添付を認め、且つ、その送信を認める。
法改正を必要とする理由 ろう者にとって、視覚を使っての情報収集は重要なものであり、とりわけ手話による情報の収集は、文字によっての情報が得にくい高齢聴覚障害者にとっても有効な手段である。
総務省の03年度の放送実績調査によると、字幕放送についてはNHKおよび民放115社が実施し、各局ともおおむね計画値を達成しているが、手話放送はNHK教育においても2%程度、民放では1%にも満たない状況であり、聴覚障害者がテレビ放送から、手話を用いての十分な情報を得られる状況ではない。
視覚障害者のための情報保障として点字による著作物の複製を認めているのであれば、同様に、「手話」による情報保障を認め、手話による自動公衆通信による送信を認めるべきではないかと考える。
改正条項及び内容 著作権法第  37 条 (改正希望部分に下線部あり)

第三十七条 公表された著作物は、点字・手話・字幕により複製することができる。
  • 2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む)を行うことができる。
  • 3  点字図書館その他の視覚障害者の福祉の増進を目的とする施設で政令で定めるものにおいては、専ら視覚障害者向けの貸出しの用に供するために、公表された著作物を録音することができる。
  • 4 聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、専ら聴覚障害者向けの貸出しの用に供するために、公表された著作物に手話・字幕を付与することができる。

第三十七条の二 聴覚障害者の福祉の増進を目的とする事業を行う者で政令で定めるものは、放送され、又は有線放送される著作物について、専ら聴覚障害者の用に供するために、当該著作物に係る音声を文字・手話にしてする自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。