2002年8月26日

総務大臣
片山虎之助 様

財団法人全日本聾唖連盟
理事長 安藤豊喜

聴覚障害者の福祉施策への要望について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、当連盟は、本年6月10日に沖縄県宜野湾市において第50回全国ろうあ者大会を開催しましたが、この全国大会決議の趣旨に基づき、聴覚障害者の福祉に関し下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。

1.携帯電話等の文字送受信システムは聴覚障害者の生活に深く根づき、必需機器になっています。通信会社に関係なく全機種・機器間で円滑に文字送受信を行えるよう、関係会社に働きかけてください。
2.災害時・緊急時の聴覚障害者への連絡体制、災害緊急システムを確立してください。
・災害のたびに聴覚障害者に情報が伝わらず、苦しい思いを積み重ねています。阪神大震災等での救援活動の教訓から、生死の確認方法や連絡方法に聴覚障害者に合ったシステムの確立を求めます。
3.福祉定期貯金の対象に厚生年金を受給している障害者も含めてください。
・ 福祉定期貯金の対象が障害基礎年金・遺族年金のいずれかの受給者に限られ、厚生年金を受給している障害者は対象外になっています。厚生年金受給者も対象にしてください。
4.手話に関る記念切手を発行してください。
5.公衆FAXの設置を進めてください。
・家庭にFAXが普及した現在、公共施設等に公衆FAXを設置することは利便性の面からも、また電話のできない聴覚障害者の伝達手段確保の面からも必要なことです。特にメールの届かない圏外地、地下街等への設置を求めます。
6.郵便局の通知(不在通知等)にはFAX番号を明記し、FAXによる連絡ができるようにしてください。
・小包等の受取人不在時の通知には電話番号のみが記載されているため、電話のできない聴覚障害者は配達日の連絡等ができません。
7.携帯電話による緊急連絡体制を確立してください。
・各地で「メール110番」が広まりつつありますが、事故や急病などの時に何処にいても救急車がよべるよう、私たちの安全を守るために「メール119番」を実現してください。
8.今後も第3種郵便・第4種郵便制度を、従来通りの内容で堅持してください。
9.貴省職員への手話の普及、障害者問題の啓発を図ってください。

以   上