2002年8月7日

国土交通省住宅局建築指導課 様

改正ハートビル法に基づく利用円滑化基準及び利用円滑化誘導基準の策定に向けた技術的基準の試案に係る意見を下記いたします。

氏名 : 財団法人全日本ろうあ連盟   理事長 安藤豊喜

意見 : 聴覚障害者に対する情報提供システムの構築(災害時・緊急時への対応含)として下記を提案いたします。 

  1. 廊下その他これに類するもの
    1. ドアにドアノックセンサー(ノックランプ)・室内信号(フラッシュランプ)等の設置
    2. 館内お知らせ放送用の「電光表示板」設置義務(廊下・待合室等)
    3. 災害時・緊急時の通報・誘導装置の設置(警報ランプ・非常文字標示・非常ストロボ・光走行式避難誘導装置等)
    4. 管理事務所等への連絡インターホンの視覚化装置の設置
    5. 文字放送・字幕放送受信可能テレビの設置(廊下・待合室等)
  2. 昇降機
    1. エレベーター扉への防火ガラス設置
    2. エレベーター内の緊急連絡用として、テレビ電話等のモニター設置
    3. エレベーターにおける重量オーバー音の視覚化装置設置
  3. 敷地内の通路
    1. 管理事務所等への連絡インターホンの視覚化装置の設置
  4. 室内
    1. 宿泊ベッドに振動枕等の緊急時情報伝達機器の設置
    2. 文字放送・字幕放送受信可能テレビの設置
  5. その他、
    1. 法律適用の前提である国基準の2000uを更に下げ、多くの人が集まる建築物にできるだけこの法律・基準が適用されるよう提案する。
    2. この法律の罰則規定を設けることを提案する。
    3. バリアフリー化促進を妨げると思われる法律等の改正を要望する。
理由 : 今回提示された内容でも、まだ聴覚障害者に対する施策が不足しているように見受けます。
災害時・緊急時への対応を特別に整備するだけでなく、日常的な利用・行動のなかで必要な、聴覚障害者への情報提供システムを整備することが重要と考えます。音・音声でなく、視覚や振動によって情報提供する機器の発展は近年めざましく、それら機器の設置で聴覚障害者の生命の安全が保障されます。「聴覚障害」という障害の内実を認識いただき、再度「聴覚障害者」の立場で建築物内外を検証し、上記事項の付記を要望します。