第14回世界ろう者会議(モントリオール)写真集
2003年7月17日〜26日

国名手話ガイドブック贈呈国名手話ガイドブック英語版完成!

 全日ろう連は国名手話ガイドブックの英語版を編集し、3000部を世界ろう連盟に贈呈した。
 右写真は高田常任理事(世界ろう連理事)から国名手話ガイドブックの贈呈を受ける世界ろう連盟カウピネン理事長。カウピネン理事長はガイドブックを「久しく待たれていたもの、世界のろう者コミュニティの発展に寄与する貴重なもの」と評価、全日ろう連の国際ろう運動への貢献をあらためて称えた。(2003年7月17日)
世界ろう連盟評議員会世界ろう連盟評議員会が開会

 2003年7月18日、カナダ・モントリオール市にて、第16回世界ろう連盟評議員会が開会した。126加盟国中68カ国から110名の代表が出席、全日ろう連も代表2名を含む4名の役員を派遣した。
 左写真は評議員会で賛成の票を投じる小椋理事。1999年から2003年までの活動報告、会計報告などが承認され、世界ろう連盟規約改正の方法、その内容については議論が激しく交わされた。
 
世界ろう連盟評議員会世界ろう連盟に新しい息吹!

 2007年の世界ろう者会議開催地は三カ国で争われたが、会議準備内容の充実度で、スペインが接戦を制した(ハンガリー3票、南アフリカ28票、スペイン31票)。
 新理事長はフィンランドろう協会会長のマーック・ヨキネン氏(写真:Markku Jokinen)が圧倒的な支持を受けて選出された。
 全日ろう連からの提案、「各国ろう協会による国際障害者権利条約への取り組み強化方針」と「世界ろう連盟出版活動の強化方針」は異議なしで採択された。
 また、勇退した高田理事が満場一致で名誉理事に選出され、第16回世界ろう連盟評議員会は7月19日に幕を閉じた。
フィンランドとの協議国際活動の専門性を高めるために・・・

 7月20日午後全日ろう連国際委員会はフィンランドろう協会国際部との協議を持ち、東京都港区聴覚障害者協会からの寄託金のカンボジアでの有効な活用、東南アジアにおける国際協力のあり方をテーマに意見交換を行った。
 まずはお互いの情報交換を密にし、現地との相互理解も深めながら、国際協力活動を進めていくことで合意し、次はカンボジア現地で具体的に計画を詰めていくことを確認した。
Lemmo氏の講演一人でなく仲間で国際連帯を!

 7月21日世界ろう者会議の記念講演で、アルゼンチン出身のシルビア・レンモさんが「グローバルな時代のろう者の世界:新しいミレニアムに向けて変化を遂げる」と題して、アルゼンチンやネパールなどでのろう者の人権擁護とろう者組織の重要性を説き、そして世界ろう連盟の強化のために更に支援が必要であることを聴衆に訴えた。(写真右)
 全日ろう連事務局は、公認コース(JTB主催)参加者向けの日本手話通訳サービスに協力をした。
竹内かおりさん日本語対応手話ではなく日本手話で!

 7月22日は人権、開発途上国、教育の科学委員会が行われた。教育の委員会で、バイリンガル教育を実践する龍の子学園の竹内かおりさんが「日本のろう教育を取り巻く現状と龍の子学園における取り組み」を発表し、今年5月に提出された「人権救済申し立て」についても報告した。この動きに対して、全日本ろうあ連盟から協力が得られないが、あきらめないで努力していきたいと、世界の仲間に支持を呼びかけた。
 なお、竹内さんは日本手話で発表、アメリカのろう者がアメリカ手話に通訳し、次いで英語、フランス語、ケベック手話、国際手話へと通訳された。
AP代表者会議(モントリオール)国際手話にアジア色をもっと!

 第15回世界ろう連盟アジア太平洋地域事務局代表者会議が7月23日に開催され、19加盟国中16カ国26名の代表者が出席した。世界ろう連盟理事の他に12カ国40名のオブサーバーが集い、各国の情報交換が活発に行われた。
 選挙で、新運営委員はオーストラリア、バングラディッシュ、日本(小椋武夫)、ネパール、タイの5名が選出された。また、2004年、2005年の代表者会議開催地はそれぞれインドネシアと中国に決定した。
 「国際手話にアジア色をもっと!」「国連障害者権利条約起草委員会に高田氏の推薦を!」などが決議された。
大杉講演ろう文化とは:歴史、想像力、そして公正。

 7月24日の全体会で大杉本部事務所長がキャロル・パッデン博士とともに、「手話とろう文化の将来」と題して、国際手話で講演を行った。
 国際的に「ろう文化」がまだ仮説の段階にあると位置付け、再検証を試みるとともに、その「ろう文化」たるものが最近重要視される理由を、「歴史」「想像力」「公正」の三要因で説明した。
 そして、歴史から学び、問題解決のために仲間とともに想像力を働かし、公正をもって変革を遂げるべきであることを訴えた。
世界ろう者会議決議各科学委員会での議論から決議へ。

 7月26日、第14回世界ろう者会議決議が満場一致で採択された。ろう者の人権、言語権を主張し、遺伝子研究や人工内耳手術、そして政策の一人歩きを許さず、正しい情報を世界の隅々まで伝え、そして、ろう者の世界にも黒人、女性、開発途上国などの問題があることを認識し、仲間で連帯して国際的なろう運動を更に強く進めていくことなどが決議された。
 写真の中央は韓国のカン理事。高田理事とともに、今期で理事職を退いた。
引継ぎ高田氏功労賞2007年にスペインで!

 第14回世界ろう者会議は7月26日に閉幕し、連盟旗がカナダからカウピネン理事長へ、続いてヨキネン新理事長へ、そしてスペインへと引き継がれた。
 高田理事に世界中のろう者への献身的な活動と世界ろう連盟への貢献を称える国際連帯一等勲章が授与された。