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パネル会議 ニューヨーク 2001年9月4〜6日
会議資料9 議事9


基準規則文書の補完に関する討議資料
(ベンクト・リンドクビスト)

基準規則文書の補完作業は現在進められている。私はコンサルタントとしてアンネリ・ヨネケン氏(Ms. Anneli Joneken)を雇い、彼女は既に作業の進捗報告を2回行っている。異なる国の数人に送ったアイデアや提案の要請からは、今のところ大きな成果はあがっていない。しかしながら、アンネリがいくつかの興味深いアイデアを考案したので、これらを十分に検討する必要がある。残念ながら、現在の規則文書を補完する広大な作業は、我々の予想よりもかなり多くの時間を要することが判明した。したがって、補完検討作業の成果は、パネル会議の直前まで知らせることができないことになる。このため、パネル会議ではこの議題を話し合うための十分な時間を確保する必要がある。

話し合いが円滑に進むよう、我々が取り組む三つの問題を以下に並べておく。

a)定義

承知のとおり、WHOの総会である世界保健総会(World Health Assembly)はICIDHの改訂版を承認した。新しい分類はICF、または「生活機能、障害、健康状態の国際分類(訳注:この邦題は仮訳。原題はInternational Classification of Functioning, Disability, and Health)と呼ばれる予定である。現在、分類を概略する資料を探しているので、入手次第パネルメンバーに配布する。我々の仕事は、WHOの正式な承認を受けた新しい分類を、新しい基準規則に反映させるかどうか、決定することである。レイチェル・ハースト氏が新しい文書を起草してくれたが、ICFの正式な発表が行われるまで、これを回覧することはできない。

定義に関して度々問題として浮上するもう一つの問題は、「障害を持つ人々(persons with disabilities)」という言葉を使い続けるかどうか、である。とりわけDAAの人々は、これを「障害者(disabled people)」に変えることを要求している。変更についてさらに話し合わなければならないが、この変更に我々が賛成するのであれば、規則文書の100ヶ所以上を変更することになる。この問題をパネル会議で話し合い、我々の意見をまとめる必要がある。

b)規則8の修正

アンネリは私との話し合いで、規則8を書き直すことで2つのニーズを満たすためのアイデアを考案した。この2つのニーズとは、住居(housing)と保護施設(shelter)、及び規則の貧困に関連する側面の強化である。アンネリは、所得保障と社会保障に関する規則の書き直しを提案した。現在の規則は、国の社会保障制度が既に存在することを主に前提として書かれている。我々はもっと基礎的なレベルから出発し、食物、衣服、住居などの基本的権利を強調するべきである。そしてこれを土台に、これらの様々な基本的権利を認知する規則をつくり、同時に、現在の規則の内容を盛り込む必要がある。

これはまだ大まかなアイデアだが、いくつかの利点があり、我々はこれらの基本的なニーズを提示する場所が必要である。住居と保護施設に関する規則文書を見ると、ほとんどは同様の方法をとっている。

以上のアイデアについて意見があれば、今後の起草作業の参考とするので送ってほしい。

c)規則文書の注解集(Commentary)

我々の話し合いを通して、規則文書の中で発展させるべき点の多くが、注釈的な文章であることがわかった。社会開発委員会の承認を受けるなど、正式に認められた注解集を作成することも良いアイデアである。基準規則は総会で採択されたものであるので、規則の改訂内容も総会の承認を受ける必要がある。注解集はこのように高いレベルでの承認を受ける必要がないので、起草と発展はより容易になるはずである。このため社会開発委員会をこのような注解集の後援団体とすることも可能である。

現時点でこれは一つのアイデアに過ぎず、実際に文書の変更や注解に分けられるだけの具体的な案はまだ決定していない。


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