2004年12月17日
NHK
会長 海老沢勝二 様
東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財 団 法 人 全 日 本 聾 唖 連 盟
理 事 長 安 藤 豊 喜
聴覚障害者の福祉施策への要望について
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、当連盟は、本年6月13日に岩手県盛岡市において第52回全国ろうあ者大会を開催しましたが、この全国大会決議の趣旨に基づき、聴覚障害者の福祉に関し下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。
記
(説明) | ろう者のスポーツの祭典であるデフリンピックは、オリンピック・パラリンピック同様、4年に1度開催されます。世界から約80カ国・4,000人が参加するデフリンピックへ出場することはろうスポーツ選手の最大の誇りであり、4年前のイタリア・ローマでの第19回デフリンピックでは、日本代表選手団は金メダル10個を含め、20個のメダルを獲得する等、過去最高の成績を収めました。今大会では、更なる活躍を期待し、総勢135名の日本代表選手団を派遣する予定です。 この、国際的な聴覚障害者のスポーツ行事をぜひ、広く国民の皆様に情報として知っていただくためにも、本大会の取材をお願いすると共に、NHK総合テレビでの放映を検討して下さいますよう、お願いいたします。 |
(説明) | 総務省が発表した2003年度の「字幕・解説・手話」放送状況によると、NHKの字幕放送率は着実に増加しており、貴局による字幕導入に対する努力が確実な数字となって現れています。これは私たち聴覚障害者にとって非常に有意義であり、評価しているところです。今後も字幕放送増加に、更なる努力の継続をお願いいたします。また、手話挿入の増加につきましても、積極的に検討をお願いいたします。 |
(説明) | 聴覚障害者の場合、緊急災害時において、その情報源はテレビ画面の文字情報のみとなります。最近は、緊急災害時の情報をテレビ以外のホームページといった様々な情報媒体への情報掲載等、工夫をいただいておりますが、やはり刻々と変化する情報を伝える際、テレビの果たす役割は非常に大きいものがあります。緊急災害時の字幕・手話放送の対応について、ぜひ検討ください。 |
(説明) | 著作権法の改正がありましたが、その法を弾力的に活用し聴覚障害者のテレビ視聴の更なる充実のためには、尚一層の情報提供や協力体制が欠かせません。手話通訳者が常駐する、という物理的に条件の整った聴覚障害者情報提供施設を活用しCS障害者専用放送で手話と字幕の挿入が可能であるため、それを提供して聴覚障害者が見やすいようにCS放送での、番組の利用を認めてください。特に緊急災害放送において番組の利用を認めて下さい。 |
(説明) | 手話を主なコミュニケーション手段とするろう者にとって、この「手話ニュース」は馴染みやすい番組であり、貴重な情報源です。現在「手話ニュース」は、平日は13時からと20時45分からの2回放映、土・日につきましては、19時55分からの1回放映となっておりますが、働く聴覚障害者も見られるよう早朝及び深夜帯の時間での「手話ニュース」の放送を検討いただく等、「手話ニュース」の番組拡充を求めます。 |
(説明) | 毎年、回答で「予算の問題である」という説明をいただいておりますが、この番組もろう者にとって大切な情報収集の一手段となっております。視聴者から再放送要望の声の有無に関わらず一律に再放送を行うという今の形ではなく、年間の作成本数を増やすといったような、改善をお願いいたします。 |
(説明) | ワールドカップ・メジャーリーグ・オリンピック・プロ野球といったスポーツ番組は国民的な行事であり、障害の有無に関わらず関心の高い番組であると思います。聴覚障害者がリアルタイムに情報を得、その展開を楽しむためにも、スポーツ中継番組への字幕挿入を積極的に図り、番組時間の拡大していただけますようお願いいたします。 |
以 上