2003年4月3日

総務大臣
片山虎之助 様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
電話03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
財団法人全日本聾唖連盟
理事長 安藤豊喜

国政選挙における聴覚障害者への情報保障等について

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
  さて、本年4月の衆議院議員補欠選挙・統一地方選挙、また来年7月に行われます参議院議員選挙等における聴覚障害者への情報保障等について、下記のように要望いたします。
 その早期実現について何卒よろしくお願いいたします。

  1. 現在では、参議院議員比例代表選挙、衆議院議員小選挙区選挙においては、政党の「任意」という条件ながらも、手話通訳付政見放送が実現しています。 しかし、他の選挙においては手話通訳を付けることは認められていません。
    1. 衆議院・参議院のすべての選挙、また都道府県知事選挙の政見放送は、政党の任意ではなく、国及び都道府県の責任による「手話通訳付きテレビ政見放送」として公営化して下さい。
    2. すべての選挙公報番組に手話・字幕をつけてください。
  2. 公職選挙法一部改正により「選挙運動に従事する者のうち、専ら手話通訳のために使用する者」には「報酬を支払うことができる」とされました。これについては手話通訳者が選挙運動員と誤解される懸念があり、手話通訳者の社会的信用と公正・中立性にかかわる問題を残しています。
    1. 手話通訳者の社会的信用と公正・中立のため、手話通訳者については、「選挙運動に従事する者」に含めないよう改正して下さい。
    2. 改正までの間、通達等で「手話通訳のために使用する者」は、公正・中立を倫理として守る立場にあることを周知して下さい。
  3. 選挙期間中のFAX・メール(文書)による選挙運動を認めてください。 聞こえる人の場合は、電話による候補者への支援依頼ができますが、聴覚障害者にとって電話に代わるFAXや携帯電話によるメールでの依頼は認められていません。聴覚障害者にも国民として、平等に選挙に参加する機会を保障してください。

以   上