2002年9月26日

消防庁長官
石井隆一 様

財団法人全日本聾唖連盟
理事長 安藤豊喜

聴覚障害者に対する緊急時の避難誘導に係る要望

 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、病院やデパート等、不特定多数の人たちが集まる建物で火災等の緊急事態が発生した際には、警報音が鳴り、避難のアナウンスが流れます。
 しかし、そのような事態にあった聴覚障害者はその場で何が起きたのか、それ以前に「起こったこと」自体がわからず、周りの人たちが右往左往するのを見て「何かが起きた」と感じるのが現実です。一刻も早く避難が必要な時に、聴覚障害者が周りの人たちの様子を見て状況をすばやく的確に判断し、行動するのは並大抵のことではありません。命にかかわる緊急時の聴覚障害者の対応を早急に整備してくださいますようお願いいたします。

1.聴覚障害者に対する緊急災害時の避難・誘導に関する設備設置を「消防法」で義務付けてください。

「消防法」では警報機等の設置を義務付けていますが、音・音声による避難誘導では聴覚障害者にはその情報が伝わりません。非常時の際、その情報を得るのが遅くなればなるほど命の危険にさらされます。不特定多数の人が利用する公共の施設・ホテル等には、緊急時の報知機器に光・振動で知らせる装置をあわせて設置するよう義務付けてください。

以   上