2001年9月18日

総務大臣
片山虎之助様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F  
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  財団法人全日本聾唖連盟         
理事長 安藤豊喜              

聴覚障害者の福祉施策への要望について



 時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、当連盟は、本年6月10日に新潟県新潟市において第49回全国ろうあ者大会を開催しましたが、この全国大会決議の趣旨に基づき、聴覚障害者の福祉に関し下記の通り要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。



1.テレビ放送番組が聴覚障害者にも等しく享受できるよう、手話、字幕付加番組を大幅に増加するようにNHKおよび民放各局にご指導下さい。特に、災害等の緊急時における情報保障は生命に関る場合もあり、放送番組にあらゆる手段を駆使して聴覚障害者に分かるよう完全な保障を求めます。
(説明)NHKはもとより字幕放送に積極的ではなかった民放も今秋から字幕番組の拡充をはかっていると伺っています。しかしながら、国民娯楽であり、また情報確保の手段として、テレビ放送の果たす役割は大きいものがあります。近年、大規模な災害が頻発していますが、その度に放送各局へ字幕付加の放送を申し入れているところです。しかしながら、必要性の認識はあっても実際に放送する場合、コスト問題がありなかなか進捗がみられません。このことは聴覚障害者の生命安全に関ることですので、より強い行政指導をお願いします。

2.聴覚障害者を中心とした「CS障害者放送局」の早期実現に向けて、助成措置をお願いします。
(説明)NHK、民放、CS放送におけるスカイパーフェクなどチャンネルは300以上にもなります。手話・字幕付加の問題もありますが、聴覚障害者向けの放送局は一局もありません。これは聴覚障害者が少数であり、商業利益の対象になりにくいなどもっぱら財政的な事情によるものです。障害者自身の手によって障害者問題を社会に啓発していくことにより、「完全参加と平等」の理念実現に一歩でも近づけたいと考えています。また、緊急災害放送の必要性については前項で述べたところであり、それを実現する放送局として現在通信局に留まっている「特定非営利活動法人・CS障害者放送統一機構」によるCS障害者放送局の実現に対しての手厚い助成をお願いします。