【ICSD eNews 2008年4月号】


◆会長からのメッセージ 2008年3月
ナダ・ザイダン氏

グニラ・リンドバーグ、IOC副会長

「光陰矢のごとし」といいますが、もうサマータイムに時計を合わせる季節になったのかと思うと、信じられない気がします。3月の第2日曜日、一日の中で太陽が昇る時間と沈む時間を遅らせるためのサマータイム(DST:日光節約時間)にあわせて、時計の時刻を早めなければなりません。サマータイムの制度に喚起され、私は、時間を早めたり、遅くしたりすることのメリットについて知りたいと思うようになりました。驚いたことに、世界の中で、このシステムをつかっているのは、70カ国、10億人に過ぎませんでした。私自身は、このシステムをエネルギー節約に大きなメリットをもたらすものだと考えています。サマータイムが始まるこの季節になると、多くのスポーツが外でおこなわれますが、このシステムならエネルギーを節約することができます。私は、夕暮れまでスポーツ選手がフィールドで練習しているところを見るのが好きです。なぜなら、PBSスポーツのエグゼクティブプロデューサーであるスー・キャッスルが書いているとおり、スポーツに参加することは、人種差別から低い自己イメージにいたるまで、全ての問題に立ち向かうパワーを与えてくれるものだからです。これは、「ペル・ルドス・エカリタスPer ludos aequalitas (訳注:ラテン語。スポーツを通して平等を!)」 というICSDのモットーを掲げるろうのスポーツ選手にもあてはまります。

3月初旬に、ティファニー・グランフォース事務長と私は、ヨルダンの死海を訪れ、四日間の第4回IOC「女性とスポーツに関する国際会議」に出席しました。会議のテーマは、「社会変革の手段としてのスポーツ」で、男女バランスの不均衡、男女平等プログラムの開発、スポーツにおける女性の参加の積極的なトレンド作りなどの問題がとりあげられました。IOCは、IOCの枠組みにある国際的なスポーツ団体が、男女平等を実現し、スポーツやリーダーシップに女性の参加を保障するよう、厳しい方策を模索していることを明言した。

平等といえば、私たちのモットーは、「スポーツを通して平等を」です。私たちは、ろう女性スポーツ選手に対する男女平等の詳細かつ包括的な方針を作り、このモットーを実践していかなければなりません。近い将来には、デフリンピックや世界選手権に参加を希望している会員は、2年に1度の評議員会に女性の代表を派遣するだけでなく、男女の選手を平等に参加させることが求められるようになります。 2008年10月の台北の次回会議では、執行委員会は、平等に関する様々な問題について討議し、批准のための正式な提案を2009年台北評議員会に提出します。

3月26日は、全てのろうスポーツ関係者にとって、悲しみの一日でした。元会長(1971-1995)であり、名誉会長でもあるジェラルド・M・ジョーダン(JJ)氏が、1年にわたる肺がんとの闘病生活の後、天国へと旅立たれました。JJの意思により、葬儀はおこなわれませんでした。JJは、私たちがJJとの思い出をわかちあったり、彼の人生を通して、私たちが共に楽しんできたことをして彼のことを思い出してほしいと願っていました。私は個人的に、JJの死の一週間前に、約束をしました。それは、私たちが常にデフリンピックの精神を大切にすること、オリンピックの理想を尊重することです。JJwo偲ぶスライドショーを私たちのホームページから見ることができます。

ドナルダ・アモンズ会長・博士


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