第15回冬季デフリンピック実行委員会ニュース 
2002年10月号より主要部分を抜粋翻訳

アメリカ・デフリンピック選手団

 アメリカのデフリンピック選手団のキャプテン、ジェフ・ルイス氏が、2002年1月30日から2月1日までスンツバルを訪問し、競技会場などの視察をしました。ルイス氏はスンツバルの競技会場や組織委員会の準備状況が印象に残ったとのことです。彼はクロスカントリー・スキーのコースをスノースクーターで見て周り、セーデル・ベリエットの回転競技コース(スラローム・スロープ)を繰り返し試走しました。2つのホールにあるアイスホッケー会場と広いロッカールームは、ルイス氏にとってトップに入るほどすばらしい施設でした。

カナダ・デフリンピック選手団

カナダ・デフリンピック選手団のキャプテン、ダニー・ダニエルス氏は選手団事務局責任者のギギ・フィセット氏と共に、2002年2月15日〜24日にスンツバルを訪問しました。選手団の視察旅行の結果、スンツバルの町と競技施設の評価は大変高いものでした。選手団の印象に残った施設として、広さがろう者スポーツに大変適していたことから、スンツバルのアイス・ホールが挙げられました。彼らは練習会場がメインのアイス・ホールに隣接している点も、喜んでいました。カナダ選手団は来年スンツバルでろう者の皆さんへカーリングを紹介する計画です。

CISS技術委員・CISS役員団

 2002年2月21日〜28日に、CISS技術委員がスンツバルを訪問しました。技術委員の一部は、視察終了後すぐに帰国しました。CISS役員団は2002年2月23日〜28日まで、スンツバルに滞在しました。

CISS技術委員・会議(2002年2月22日〜24日)

 ドナルダ・アモンズ氏とレナート・エドウォール氏が議長を努め、将来の冬季競技について協議しました。また、CISS技術委員とデフリンピック組織委員会がどのように協力し合い、作業を進めていくかについても話合われました。
 2月22日には第15回冬季デフリンピックの主要スポンサーであるSCA※の招待を受けました。午前中にSCAの情報ディレクターのビョーン・リンフェルト氏と2名のベテランのガイドの案内で、オートビッケン(Ortviken)製紙工場を見学し、レストランで昼食を取りました。大多数の参加者が、少なくともこのような規模で新聞紙が製造されている製紙工場を見学するのは初めてでした。
 工場見学の後、競技会場の視察を行いました。
 2月23日の夕方に、セーデル・ベリエット登山ツアーを行いました。セーデル・ベリエットは7階建ての建物に匹敵する高さを誇ります。ほとんどの参加者が悪天候のためにすぐにあきらめました。それでも数人の参加者は、頂上まで登りきることができました。頂上からはスンツバルとボスニア湾の目を見張るような景色を楽しみましたが、残念ながら誰もカメラを持っていませんでした。
 登山の後、フォレスト・キャビンで夕食を楽しみました。
 2月24日、CISS役員と技術委員は、デフリンピック組織委員会とスウェーデン体育協会、SDIと共に視察結果と進捗状況の検討に入り、スウェーデンよりのプログラム案の発表及びその評価を行いました。
 業務終了後、参加者は夕暮れのスンツバルの壮大な景色を見渡せるセーデル・ベリエット・スカイバーに集まりました。夕食にはスンツバル市主催で行われ、西ノルランド通訳サービス事務所のスタッフも招かれ、冬季大会に先立ってCISSの代表団と親交を深めました。
 2月25日から27日には、CISS役員会が行われ、組織委員会とスウェーデン体育協会の代表者と1対1の会合を行いました。役員団はCISS評議員会の開かれる会場を視察しました。グループ討議などのための小会議室も備えた雰囲気のよい会場で、満足できる評議員会が行われるとの評価を受けました。開会式及び閉会式は、ノルディックホールで行われます。
 2月26日、役員団はSCAよりスンツバル市内のヴィラ・マリーバーグでの夕食会の招待を受けました。夕食会の間、スポンサーや国際スポーツの問題、特にろう者スポーツに焦点を当て、多くの重要な考え方が出されました。SCAは西ノルランド地域のろう者スポーツのスポンサーであった経験を持ちます。
 2月27日のさよならパーティ「ウィンターヴィル・スンツバル」はスノースクーターでの30km旅行が特色で、フォレスト・ロッジでの夕食に引き続き行われました。ゲストの皆さんは誰もスノースクーターに乗ったことがなかったため、大変楽しいものでした。凍結した雪面を走行するのは、忘れられない思い出です。

訳注※SCA=スウェーデンの大手製紙メーカー

冬季デフリンピック2003とSDIに関するCISSと組織委員会の会合(2002年2月)

要約
 CISS役員、技術委員、メディア・スタッフがセーデル・ベリエット(Sodra Berget)に滞在しました。CISSの皆さんはスンツバルでの滞在を楽しみ、組織委員会によると、通訳サービスがすばらしかったということです。CISSの皆さんは移動手段、食事、セーデル・ベリエットのサービスについて大変満足したということです。
* ソレフテオ(Solleftea)及びスンツバル(Sundsvall)にスーパー大回転(のコース)がありません。替わりに、スンツバルのセーデル・ベリエットにてパラレル・スラロームが行われます。
* 予備登録者がわずかでしたので、スケート競技は行われません。
* アイスホッケーのスケジュールはCISSに従い、大変よいものになりました。(後ほど)登録チーム数を確認します。
*ワックスキャビンが完成していませんが、クロスカントリースキー競技が行われます。
*デモンストレーション競技であるカーリングは、2003年3月2日に行われます。
*会合において、プログラムに細かな変更が出ました。詳細はCISSの承認を得て公表します。
*宿泊班が運営を始めました。
*スンツバル・第15回デフリンピックのポスターがCISSに承認されました。
*冬季デフリンピック2003組織委員会がホームページ(※Web Site)、ポスター、メダル、賞状などを作成しています。

スンツバル−冬季スポーツの街

 スンツバル市は現代の冬季レクリエーションや公式冬季競技大会のための、すばらしい競技会場や宿泊施設を有しています。セーデル・ベリエット・ホテル及び会議場はスンツバル市を一望できる、デフリンピック選手村の中心部です。
 スンツバルはスウェーデンの中部にあり、主要な競技イベントを開催してきた長年の経験と交通アクセスの便の良さで、2003年第15回冬季デフリンピックを開催するのにふさわしい都市です。
 スウェーデンろう者スポーツ連盟(SDI)は、3月1日にスンツバル市庁舎で設立90周年記念式典を行います。同じ日に、第15回冬季デフリンピックの開会式が行われます。開会式に国際オリンピック委員会(IOC)会長のジャック・ロゲ氏が来場します。そして本大会はシルビア王女の後援の下開催されます。
 スウェーデンろう者スポーツ連盟(SDI)の伝統は古く、1913年11月6日に設立されました。スウェーデンではろう者の公式競技大会が19世紀始めから開催されていました。スウェーデンろう者体育協会は現在も活動を続けている、世界のろう者体育協会の中でもっとも古い組織の1つです。
 アルペンスキー、クロスカントリースキー、アイスホッケー、スノーボードが2003年の公式競技として行われます。

訳注
※  スウェーデンろう者スポーツ連盟=Swedish Deaf Sports Federation (SDI)
※※ スケート長距離・・・冊子の英文をそのまま翻訳