西日本豪雨の被害状況について



 台風7号及び梅雨前線活動の活発化の影響により、2018年7月5日頃から西日本を中心に豪雨の被害が出ています。7月9日現在で8府県98自治体に災害救助法の適用が決定されました。
 中央本部として、具体的な支援を検討中ですが、支援活動・生活再建にはまず支援金を用意しなければなりません。
 被害を受けたろう者及び手話関係者等への支援活動を円滑に進めるためにも「聴覚障害者災害救援基金」について皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

→ 聴覚障害者災害救援基金

これまでの各地の被害状況、また中央本部他各機関の動き・経過は下記の通りです。

現地視察報告 NEW!

広島県:2018年8月5日(日)視察報告 NEW!(2018/08/09掲載)
愛媛県:2018年8月11日(土)~12日(日)視察報告 NEW!(2018/08/15掲載)
岡山県:2018年8月12日(日)視察報告 NEW!(2018/08/15掲載)

 

各地の被害状況まとめ(中央本部調べ、7月23日現在)

 全体的に情報収集を進めているが全容を把握するのに時間がかかる模様。
 被害が大きいのは岡山県・広島県・愛媛県。広島・岡山では対策本部を設置。

○東海地方
 岐阜県:人的・物的被害は出ていない。飛騨高山地方は交通網が遮断され、移動困難。

○近畿地方
 京都府:(7月7日現在)床下浸水1名(ろう者・北部)、避難者1名。
 兵庫県:(7月7日現在)兵庫県聴覚障害者協会の各施設で雨漏り等の被害。

被害状況

○中国地方
 岡山県:7月11日に岡山協会より文書にて報告あり。
          住宅水没 2軒  倉敷市真備町(詳細確認中)
          床上浸水 2軒  岡山市東部 自宅1 店舗1
          床下浸水 3軒  岡山市東部 自宅2 店舗1
          自動車浸水5台  岡山市
          自宅窓破損1軒  総社市 近隣の工場が爆発した影響
     7月7日 岡山協会から県内7支部へ安否確認で情報収集。
     7月9日 岡山協会、全通研岡山支部、士協会岡山支部の3団体で岡山県聴覚
          障害者災害救援対策本部を立ち上げ。被災地域の交通網はほぼ寸断、
          商品も品薄状態。
     7月12日 会員向けに被害確認を開始。

 広島県:7月6日:広島県ろうあ連盟より県内各支部役員へ安否確認メールを送信。
    (7月9日現在)ろう者の避難所生活者3名(坂町民センター2名、三原市1名)
        その他ろう者・手話通訳者でも床上・床下浸水の情報有り。
        広島市と呉市の間の被害が大きい模様。福山・尾道・備後地区・呉・廿日市・
        東広島・府中の被害は無し。北部三次地区、広島市内の状況がわからず。対策
        本部設置検討中。
    (7月10日現在)人的被害・物的被害の情報は届いていないが、全容が把握できていな
        い状態。広い範囲で交通網が遮断されている。(全通研より)
     7月10日:広島市内の会員5名が避難している。うち2名は土砂災害の被害(全壊1名、
        床上浸水1名(写真有り)。他、ろう協会員1名、通訳士1名についても避難
        はしていないが孤立状態。県内のJRの復旧には相当の時間がかかる模様
     7月18日:広島県ろうあ連盟よりFacebookで被災状況・復旧作業の状況を発信中

広島市内の被害
(上写真は広島市内で被害にあった会員の自宅の状況)

○四国地方
 愛媛県:7月11日に愛媛協会より電話で報告あり。
     床上浸水 1軒(士協会会員・避難所生活1名)、床下浸水 1軒(通訳者)
     その他、家屋や物的被害の情報があり。
     7月12日、四国ろうあ連盟より連絡あり。
     愛媛県西部で被害が大きい。吉田町のろう者が1名避難所にいる。
     大洲市では浸水の被害が大きく、手話通訳者が避難しているがケガなどはない。
     愛媛から香川の交通ルートが寸断されており、移動が不便。
     7月22日にろう協・通研・サ連・士協会支部で協議予定。
 徳島県:河川の氾濫はあったが、会員への被害はない。
 高知県:(7月10日現在)ろう者1名が避難したが帰宅。

○九州地方
 福岡県:(7月9日現在)北九州市…自宅半壊(ろう女性・崖崩れ・兄の家に一時避難中)
             久留米市…床下浸水 1軒(ろう者・現在は帰宅)
 その他:現在のところ、被害は確認されていない。

北九州市の被害
(上写真は北九州市の半壊自宅の状況)

中央本部のこれまでの動き

7月6日

  • 「災害地域支援メーリングリスト」(未加入の地域は加盟団体、以下:救援ML)に災害への警戒と情報提供をメール送信にて呼びかけ。

7月7日

7月9日

  • 救援MLに送信時点で把握していた被害の情報提供と、要望書提出の報告を送信。

    7月9日~11日

  • 連盟理事などから各地の情報が入る。中央本部事務局より被害が大きかった地域に被害状況を確認。また、全通研・士協会事務局にも情報の提供を依頼。
  • 全国社会福祉協議会(以下、全社協)にボランティアの受け入れについて確認。11日現在、全社協でボランティアの取りまとめはしておらず、ボランティア希望者は現地と直接連絡をしているとのこと。

7月11日

国・行政の動き

【厚生労働省】
7月9日

・厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課より、災害救助法指定地域のある府県に「災害により被した要援護障者等への対応について」の事務連絡を発出。
(別添資料1(2015年1月15日付再送分)より抜粋)

5.被災された視聴覚障害者等に対する情報・意思疎通支援について
被災された視覚障害者や聴覚障害者等に対しては、特に情報・意思疎通支援が何より重要となります。管内被災市区町村における避難状況等を踏まえ、点字や音声、文字等による災害情報等の提供、手話通訳者等の派遣などの情報・意思疎通支援について、視聴覚障害者情報提供施設等と連携し、万全の対応を期すようお願いします。

(別添資料2(2016年10月24日付再送分)より抜粋)
「災害により被災した視聴覚障害等への避難所等における情報・コミュニケーション支援について」

被災した視聴覚障害者等については、その障害特性から情報取得や他者とのコミュニケーションが特に困難な状況となることから、ボランティア等による支援やホワイトボード等の機材を使用した有効な支援の必要性が高くなります。つきましては、避難所等における視聴覚障害者等に対する情報・コミュニケーション支援について、具体的な方法や配慮等の例を別添のとおり情報提供致しますので、避難所等への周知等をお願い致します。なお、避難所の設置期間の長期化が見込まれる場合には、特に視聴覚障害者等の状況・ニーズの把握に努めるとともに、ボランティアや関係団体等と連携を密にし、特段の御配慮をお願い致します。

7月10日

・厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 企画課より、各都道府県等に

「避難所等で生活する障害児者への配慮事項等について」の事務連絡を発出。
(別添資料より抜粋)
 「避難所等で生活する障害児者とその家族への支援」
  聴覚障害者
  ○支援のためのニーズの把握
  →障害の程度(聞こえの状態など)は? 情報の取得方法(手話、文字、補聴器など)は?
  ○文字等で必要な情報をしっかり伝達
  →プラカードやホワイトボード等を使用した視覚的情報だけで分かるような表示方法に
   配慮してください。
 「避難所以外で生活している障害児者とご家族への配慮」
(避難所以外で生活している障害児者等の把握について)

○被災地域の自宅や自家用車の中で生活を送っている障害児者やそのご家族には、食料、生活用品の配給やその他の必要な支援の情報が届いていない可能性があります。このため、避難所以外で生活している障害児者等の把握に努めていただき、必要な支援や情報伝達を行えるようにお願いします。

(情報・意思疎通支援の対応について)

○視覚・聴覚障害者に対しては、特に情報・意思疎通支援が何より重要になります。避難状況等を踏まえ、日頃から支援に携わっている関係者間で連携して、本人や家族等に対し、点字や音声、文字等による被害状況等の提供、手話通訳者等の派遣等の情報・意思疎通支援について、視聴覚障害者情報提供施設等と連携し、万全の対応を期すようお願いします。

7月18日~20日
・厚生労働省自立支援振興室より聴覚障害者の被災状況について聞き取りあり。

【文部科学省】

7月9日

  • 初等中等教育局から各都道府県教育委員会等へ「平成30年7月豪雨における被災地域の児童生徒等への就学機会の確保等について」の通知を発出。
    (主な内容)被災した児童生徒の公立学校への受入について、被災した児童生徒の教科書・授業料等の取り扱いについて、心のケアを含む健康相談の充実について等

7月11日

  • 初等中等教育局特別支援教育課から各都道府県教育委員会へ「平成30年7月豪雨により被災した幼児児童生徒への就学奨励にかかる事務の取扱について」通知。

7月11日

  • 第7報:学校関係の人的被害・物的被害・休校情報・避難所になっている学校の情報、文科省・教育委員会への対応を掲載。ホームページ上の学校数の内訳は、設置者による内訳になっており、聾学校の校数は明記なし。

※文部科学省から連絡を受け、全国聾学校長会が収集した全国のろう学校の状況の情報提供あり。各地のろう学校では被害は特に出ていないが、岡山・広島県内では、遠隔地からの通学に困難な状況がでている学校もあるとのこと。

聴覚障害者災害救援中央本部の活動へ
西日本豪雨について 聴覚障害者災害救援中央本部委員長 石野富志三郎よりご挨拶