Q4:損害賠償請求の方法にはどんな方法がありますか。

A4: 主に2つの方法があります。
(1)東京電力から送られて来た書類に記入して請求する
 当初、膨大な書類が送られ、多くの批判を受けた結果、簡単ガイドが作成され、若干請求しやすくなりました。しかし、加害者である東京電力が請求を受けて賠償額を決めるという特異なもので、基本的には賠償の最低基準である、「原子力損害賠償紛争審査会」の「指針」の枠を超えないものであり、賠償額も低く抑えられることが予想され、請求額全額の賠償は期待できません。
 書類作成を弁護士など代理人にお願いすることもできますが、一定の費用を負担する必要があります。
(2)「原子力損害賠償紛争解決センター」に対して和解仲介(ADR. 裁判外紛争解決(Alternative Dispute Resolution)申立をする
 第三者委員による和解の仲介がなされることから、被害者側の主張をある程度汲んでもらえる可能性があります。申立手続に必要な書類は、簡単な書式が日弁連で用意されています。詳しく話を聞くために、決められた期日にセンターに呼ばれて行かなければならない場合もあります。センターは東京と郡山にしかなく、遠い人は不便ですが、これら以外の市町村にも出張することもあり得ます。
 和解仲介案に対し不服であれば拒否することが可能です。
 
この他に、以下のような方法もあります。
(3)集団請求
 同じような被害状況にある被害者による集団請求を行うことも考えられます。同じ様な被害状況にある人たちの請求書の内容はほぼ同じで済むため、悩まず申し立てることが可能です。
(4)民事訴訟
 東電の賠償基準や原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介案に不服がある場合、裁判所に訴える方法です。
 裁判所による判決は絶対であり、東京電力はそれを守らなければならないという強い効力を持っています。しかし、時間や費用がかかります。また、過去の東海村の臨界事故の時に行われた裁判の判決を見ると、あまりいい判決はなされていないのが現状ですので、要望通りになるかどうかわかりません。
(5)自分で書類を作って請求する
 自分で書類を作って損害賠償請求することもできますが、非常に大変であり、経験のない人には無理です。