事業報告を見る

ろう学校等におけるデフリンピック啓発事業

事業について

 日本の聴覚障害者スポーツの歴史は古く、戦前から活発に取り組まれており、戦後は財団法人全日本聾唖連盟体育部によって、聴覚障害者スポーツの振興が図られてきました。

 昭和30(1955)年9月、第1回全国ろうあ者野球大会が京都で開催されて以来、野球を中心に各地域で聴覚障害者スポーツが活発に行われ、スポーツへの関心が深まり、世界ろう者競技大会(現デフリンピック)参加への希求が高まり、独立した聴覚障害者スポーツ組織の設立が求められるようになりました。

 現在、全国ろうあ者体育大会は10種目を行い、毎回約2000人の選手が参加する総合的なスポーツ大会に発展しています。また、全国ろうあ者冬季体育大会はアルペンスキーに加えて、スノーボード等を取り入れ3種目に増えました。その他に、全国大会で採用されていない競技、ラグビー、ゴルフ、サーフィン等に取り組む聴覚障害者スポーツ選手が増加しました。

 国際的には、聴覚障害者の国際的なスポーツ組織である国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)に加盟し、4年に一度世界各国持ち回りで開催されるデフリンピックに参加し、1965年の第10回夏季大会から、毎回日本代表団を派遣し、各国のろう者と日頃鍛えた実力を競い、国際親善に努めております。デフリンピックは、パラリンピックと並ぶ世界のろう者のスポーツ祭典です。

 当初、世界の壁は厚かったのですが、選手・役員等関係者の努力と熱意により、日本選手も実力をつけメダルをとれるようになり、ことに2001年7月、第19回デフリンピック(於イタリア)では、10個の金メダルを含む20個のメダルを獲得する過去最高の成績を収めました。2009年9月、第21回夏季デフリンピック(於中華台北)でも、金5個を含む20個のメダルを獲得し日本のろう者スポーツの活躍を社会に広め、多くの感動を呼んだところです。

 冬季デフリンピックでは、1967年第6回大会から参加してきましたが、メダルにはなかなか及びませんでした。しかし、1999年2月、スイス・ダボスで開催された第14回冬季デフリンピックで、アルペンスキー競技女子回転、大回転で銀・銅メダルをとり、冬季大会で待望の日の丸をあげることができました。2003年3月の第15回冬季デフリンピック(於スウェーデン)、2007年2月の第16回冬季デフリンピック(於米国)では、スノーボード競技大回転で男女とも金メダルを獲得しました。

 このように、日本のろう者スポーツが発展を遂げる一方、デフリンピックの認知度は一般国民では2%とも言われており、パラリンピック・スペシャルオリンピックと比較しても、大きく遅れをとっております。平成20年度に障害者スポーツ支援基金の助成を受け「デフリンピックへの意識高揚に関する事業」を実施しましたが、ここでも全国のろう学校における認知度が極めて低いことが指摘されており、一般国民よりもまずろう学校における啓発取組みを優先することが喫緊の課題となっております。

 上記を受け、平成22年度より2年間の事業として、全国のろう学校や難聴学級設置校にて中学部高等部の生徒を主な対象に「デフリンピック教室」を実施することで、(1)ろう学校等における認知度を100パーセントに高めてネットワークを形成するとともに、(2)ろう学校の生徒にデフリンピックへの夢を与えて選手育成の裾野を広げることを本事業の目的としております。

 学業とスポーツ両面において子どもの心身発達を支援する教育環境をどこまで用意できるかは、いつの時代においても重要な課題であり、オリンピックにおける選手の成績はその国の教育力を表すバロメーターともなっています。聴覚障害児についても、学業と共にスポーツを通した心身の発達、そしてスポーツを通した人間的な成長が一つの領域として求められていると感じており、そのために啓発活動により一層の力を入れる所存です。

※この事業には下記のスポーツ団体から協力をいただいております。

日本聴覚障害者陸上競技協会 / 日本ろう者バドミントン協会
日本ろうあ者卓球協会 / 日本デフバレーボール協会


事業報告を見る