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福祉医療機構助成事業「デフリンピック啓発セミナー」シンポジウム
(2009/2/22)

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大杉 ポスターという話が出されました。生徒は「デフリンピック」の言葉を見たような気がするけれど内容が分からない・・・ということもあるかもしれませんね。みなさんはいかがでしょうか?普及のための方法、なにか全日本ろうあ連盟スポーツ委員会委員会でこういうものを入れて欲しい、ここが足りないなどあれば出してください。いかがでしょうか?


フロア1 日本ろう者スキー協会です。3月22日~28日まで第2次強化合宿を行います。スノーボードです。その時、旭川ろう学校が近かったので子供達に対して無料でスノーボード教室を開く計画を進めています。他にもラグビー・スキー技術等の競技団体では同じようなことをやっているところもあると思います。そのような形でもっと積極的にろうの子供達に対してPRを兼ねて育成するということを進めれば良いと思います。

 もう1つは選手役員の皆さんの中には地域で手話講師をされている方も多いと思います。私も同様で小学校から手話講師の依頼を受けております。そのような場を積極的に活用して、そこに出向いて自分がやっていること、デフリンピックのことも併せて話をしたら良いのではないでしょうか。いただいたパンフレット大変良ですね。これを配ってPRをしたら更に効果的で良いのではないかと思いますがいかがでしょうか。

大杉 ろう児を集めて指導する、またパンフレットを活用する、サークルなども含めて広めていくという方法をご紹介いただきました。他にはいかがでしょうか?


フロア2 日本ろう者水泳協会です。私は地元の小中学校で手話指導をしております。その指導のときに「デフリンピックが今年開催されるのは知っていますか?」と問いかけます。みんな知らないと答えます。これは当然のことですね。オリンピックやパラリンピックは知っています。でもデフリンピックって何?という子供達が多いんです。ですから指導する聾学校のいろんな時に手話指導だけでなくデフリンピックについても教える。例えば自分が選手であったこと、そこでメダルを取ったことなど経験談の話をする。子供達は非常に憧れを持つ、興味を持つ。それが1つのきっかけになるのではないかと思います。もう1つ、体育授業がありますよね。そのときに「デフリンピックについて」というテーマで勉強するという方法もあるのではないかと思っています。


大杉 いま、体育連盟の理事長、松田さんが「なるほど」というリアクションをされました。(笑)。「分かりました」と今おっしゃられました。他にはご意見ないでしょうか?あと2人ほどにご意見をいただく時間がございます。


フロア3 こんにちは。平塚ろう学校で働いております。女子バレーのスタッフを務めております。宜しくお願い致します。ろう学校とは別に難聴学級やことばの教室に通っている子供たちもいます。通常の学校に通っているろう難聴の子どもたちにもデフリンピックを知ってもらうことが必要です。そのためにも難聴学級やことばの教室にもPRしていく必要があると思います。私が担当しているのは通級です。通常の学校に通っているろう難聴の子どもたちが週に1~2度通級の指導を受けます。私が担当していた子供たちの中にはサッカー・陸上・バレーボールをやっていて、デフリンピックがあることを話します。頑張って陸上競技を続けている男子生徒がいますので、こちらにいらっしゃる陸上の役員の方と、どのように引き合わせたらよいか相談しました。

 自分ができるなかでPRしていきたいと思います。通常の学校に通っている、ろう難聴の子供たちの中には力を持っている子がいるかもしれません。その子たちを発掘していくか。デフリンピックを知ってもらい、ろうの仲間を増やし、ろうの世界を知ってもらい、一緒にやっていくようなことについても考えていただきたいと思います。


大杉 ありがとうございます!もう一名いませんか。


フロア4 日本ろう者バドミントン協会です。日本ろう者バドミントン協会として失敗が1つあります。それは、デフリンピックが終わり帰国した後、メダルは取れなかったけどとにかく頑張りましので、デフリンピック報告会のために選手は自分が卒業した聾学校へ行きました。後輩がたくさん並んでいます。本人は緊張のあまり固くなってしまい、話しの内容が非常に乏しくなってしまいました。個人で話す分にはとても良いのですけれども、大会のように人がたくさん集まっている場で話すというのは難しいですね。でも本人もどこまで話していいのか分からなかったらしいのです。「僕はドイツに行った。世界ろう者バトミントン大会に出た。すごい、すごい。終わり。」それだけだったのです。

 つまりバトミントンは上手だけれども話し方の問題というか、下手とはいいませんが話し方の工夫が必要です。マスコミ取材も出来なかったということです。それも指導が必要かなと私は反省しております。話すというのは非常に大事です。みなさんが関心を持たれる話し方をすれば、生徒は「ああ素晴らしい、僕もデフリンピックに出たい!」という想いを高めます。しかしただの報告で「デフリンピックがあった。終わった」というだけではやはり関心はなかなか育ちません。

 もうひとつ、協会の役員の皆様も講演の方法を工夫して欲しいと思います。私がうまいとは言いませんが、講演がだらだらしていて的を得ない。まとまらない講演です。自己紹介自己アピールばかりして、肝心なところがなかなか伝わらないという状態なので、やはり我々役員も勉強しなければなりません。話し方の勉強が必要です。まず何を言うのか、「起承転結」の勉強をする、研究をしなければならないと思います。以上です。


大杉 確かにとても大事なことですね。まだ一人が手を上げられていますので、最後ということでよろしくお願いします。


フロア5 一言言わせていただきたいと思います。私の場合、2年前、冬季デフリンピックから帰国した後、いくつか講演依頼がありました。その中に全国ろうの子供の集いという500人以上集まった会がありました。喜んで行って、デフリンピックについて講演と説明をしたのですが、そんなの知らなかった!知らない!という声がかなりあがり、大変ショックを受けました。そして大いにガッカリしてしまいました。スタッフに「聾学校の先生方はデフリンピックを知っていますか」と尋ねると先生方も知らないという回答でした。益々ショックをうけ、それがきっかけで全日本ろうあ連盟スポーツ委員会にこれは問題だと提案しました。そして色々と対応をして頂き、今のようにパンフレットが出来上がったきっかけになったわけです。ですからその時感じたのは山根委員長が話したように、健聴者たちにとって知名度が低く、まだ知られていないのは我々のPR不足、啓蒙活動不足で反省も必要と思ったり、知名度が低い現実に対して失望しながら我慢してきました。しかし同じろう同士も知らないということに対して非常にショックを受けたし、とても我慢出来ないぐらい悔しい気持ちになっています。ですから健聴者よりまずろう学校の関係者、まず足もとから、ろうの子供、その両親、先生からスタートして充分普及していったほうが、健聴者にも広まりやすいのではないかと思います。今日のセミナーをきっかけに聾学校では100%普及するということをご指導いただければと存じます。以上です。


松田 ごもっともです。


大杉 「ごもっともです」と松田さんからお言葉がありました。国民30%を目指す。ろう者、聾学校で100%を目指す。どちらが大切か。やはり聾学校のほうだと思いますね。そのあたりについてはスポーツ委員会でも話し合っています。皆さんからいろいろとご意見いただきました。皆さんのご意見をもとに、及川先生にアドバイスなどをよろしくお願い致します。


及川 デフリンピック周知の良い方法、すぐに効果が出る方法は私にも思いつきません。今思い出したのですが、確か大杉先生が代表になっていて聾学校を回って防災講習会をやっているような話を聞いたことがあるのですが。例えば同じようなことをデフリンピックでやるというのは難しいのでしょうか?1校1校行くのはお金がかかるので例えば東北単位とか関東単位というくくりで取り組むのも1つかと思います。もう1つは、さっきの議論を聞いていて、あっそうだ!と思ったのですが、「全国難聴児を持つ親の会」という組織がありますよね。私も以前に自分で頼んで原稿を載せてもらったことがあります。9月にデフリンピックがあります。今は2月ですね。頼んで原稿を書いて載せてもらうというのはどうでしょうか。入っているメンバーだけなのですが。みんなではないのですけど、おそらく無料で配ってくれると思います。だから良いPRになるかなあと思います。そういう方法はどうでしょうか?会長・副会長もよく知っている方ですので、スポーツ委員会から頼まれれば、私から依頼してみます。私は今回のような集まりが出来たこと自体が素晴らしいと思っているのですよ。ですから1年に1度位、デフリンピックが終わった後もこういう会が続けて出来れば良いなと思います。大杉先生から紹介してもらったホームページ。私も少し見ましたけれど非常に素晴らしい。私の研究の参考になる(笑)。私も協力して全部入れたいなと思います。非常に期待しています。まとまらない話ですいません。(拍手)


大杉 及川さんには今日お越しの全国聾学校体育連盟の松田理事長をご紹介していただいきました。お二人に来ていただいてそれぞれの立場からご報告をいただきましたおかげで、内容が濃くなりました。デフリンピックをもっと広めよう、そのためにどうしたら良いのか、皆さんから貴重なご意見をいただきましたので、効率的な方法を考えて皆さん一緒に活動していく。そして聴覚障害を持つ子どもが競技を通してデフリンピックへの道を作っていくようになればよいなと思っております。最後に、今度台北でデフリンピックがあります。そのことをおそらくこの会場にいる参加者の皆さんはご存知ですよね?実は昨日までシンポジスト4人の中の1人がご存知ではなかったのです。それを聞いて私は非常にショックを受けました。まあ個人的なことですけれども。スポーツ委員会としても体育連盟に対してこういうことがあるという情報の提供、コミュニケーションの働きかけがない状態が続きましたので、組織としても考えなければならないと思っています。最後にシンポジストの皆様より、台北2009に向けて、今から私は何をやるのか、応援をする、など順番に一言ずついただければと思います。


 2009台北大会に向けて、私は今回、選手でもなく役員としての係わりもありません。応援という立場で日本の聞こえない人達が向こう(台北)で燃えるような試合をしてくれるように何かの形で日本から応援したいなと考えています。今、候補選手として頑張って練習している選手も自分は日本の代表だという自覚を持って、より一層練習に励んで欲しいと思います。とにかく今必要なことは代表バレーに対する「ひたむきな姿勢」です。デフリンピックまで、どのくらい必死に練習に取り組んでいくか?その「ひたむきな姿勢」がこれから問われてくると思います。女子バレーボールは前々回、前回ともメダルを獲得しています。台北大会もメダル獲得が期待されています。重圧がのしかかってくると思いますが、「勝った」「負けた」という結果を求めるのではなく、感動させられるプレーを日本中の子どもたちにみせてください。

 頑張ってください。楽しみにしています。有難うございました。


篠原 聾学校に帰ってデフリンピックの授業をやります。聾学校の先生が会場に何人かいますね。みなさんも一緒に授業でデフリンピックのことをやりましょう。


松田 今、ここに穴があれば入りたい気持ちです。さきほどから皆さんからご指摘されたことについては弁解の余地もございません。私たち体育活動に関する指導者が充分に把握していない事には生徒たちに理解させることはできないと思います。今回セミナーに参加させていただき私自身、全国聾学校体育連盟理事長として非常に反省をしています。またセミナー開催の案内状を全国108校の聾学校に発送していただき本当にありがとうございました。案内状に目を通すだけでも聾学校関係者に対してデフリンピックの知名度があがったと思っています。今年の5月に全国聾学校評議委員会がありますので、そこで今日皆さんからご指導頂いたことを肝に銘じ、私の命にかけて全国の聾学校職員にデフリンピック啓発活動を徹底するよう指導いたします。お約束いたします。最後に先ほど団長さんからお話があったように今年の大会で是非30、40個のメダルを獲得して来てください。そして全国の聾学校の生徒たちに希望と夢を与えるようにお願いしたいと思います。それでは皆さん頑張ってきてください。


及川 自分が出来る範囲で科学的に研究を進めたいと思っています。それが結果的に日本のろうスポーツの力の向上になればいいなというのが今の考えです。たぶん出来ることは少ないですけれども頑張りたいと思います。台北の代表の人は是非頑張ってメダルを取って欲しいと思うのですけれども。プロ野球選手ですら何が一番大事だと問われると「精神力」と言うのですね。技術があるから逆に・・とも言えるのですけれど、気持ちというのは非常に大事だと思うので是非日本を代表しているという気持ちを持って頑張っていただきたい。以上です。(拍手)


大杉 以上でシンポジウムを終わります。続いて中澤啓発普及事業部長、デフリンピックの普及取組みの司令塔、中澤さんにシンポジウムで出された課題などをまとめてもらい、今後の方針作りに結びつくようなことを話して欲しいと思います。朝からのセミナー内容も加味してご報告ください。シンポジストの皆様本当にありがとうございました。そのままでお聞きください。


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