ブックタイトル新しい手話2015立ち読み

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概要

新しい手話2015立ち読み

はじめに「わたしたちの手話新しい手話2015」をここにお届けいたします。2013年10月に鳥取県で「手話言語条例」が制定されてから一年が経過しました。鳥取県内では、この条例をきっかけに「ミニ手話講座」の開催や企業等事業者による「手話学習会」の開催などを通し、手話を学び始める方が非常に増えてきています。その後条例を制定した北海道石狩市、北海道新得町、三重県松坂市、佐賀県嬉野市でも市役所の職員を対象とした手話講習会や町民大学での手話体験講座の開講など、本格的に手話の普及に取り組んでおり、「手話を学びたい」「ろう者の話を聞きたい」という声が全国的に高まっています。また、2014年9月には北海道鹿追町で手話言語条例が制定されました。同町では手話を必要とする人は二人だけですが、町民の手話への理解と普及を進めるために可決された、全国の市町村のモデルとなる素晴らしい事例となりました。このような成果を力とし、全日本ろうあ連盟は手話言語法や手話言語条例制定に向け、今後も全力を挙げて取り組んでまいります。「新しい手話」は、社会福祉法人全国手話研修センター日本手話研究所「標準手話確定普及研究部」が、厚生労働省より委託を受けて、必要な単語の研究・調査を重ね提案しているものです。今回は、政治・経済・自然環境など社会的に広く使用されている用語の他、以前からろう者が表現している「保存手話」に適切な日本語の単語をあてはめた手話を多く掲載しています。また、2014年、ニュース等で広く報道された言葉に「デング熱」「エボラ出血熱」(本書91P)があります。日本手話研究所は、この2語の標準手話をすぐに確定し、全日本ろうあ連盟機関紙・日本聴力障害新聞11月1日号に掲載・公表しました。このように時事性の高い用語についても素早く対応しています。言語として手話が広がり、聞こえる人とろう者が等しくコミュニケーションがとれ、情報の共有ができる成熟した社会環境の実現に向け、本書がその一助となることを心より願っています。一般財団法人全日本ろうあ連盟理事長石野富志三郎