第2回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」ヒアリングにて意見書を提出



●第2回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」ヒアリング
日 時:平成26年7月15日(火)16:00~18:00
場 所:厚生労働省 共用第7会議室(5階)
出 席:長谷川副理事長
資 料:厚生労働省ウェブサイト http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000051397.html

全日本ろうあ連盟より下記の意見書を提出いたしました。

障害福祉サービス等報酬改定に関する意見

一般財団法人全日本ろうあ連盟

  1. 障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会がまとめた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」に沿って検討を進めて下さい。
     
  2. 聴覚障害者に対応できる相談支援事業所は広域での相談支援が求められることから、サービス利用計画の報酬単価は、相談支援事業所が安定して運営できる報酬単価に改定して下さい。
     
  3. 改正された障害者基本法において「言語(手話を含む)その他の意思疎通の手段の選択の機会を確保」することが基本理念に入りました。これを踏まえて聴覚障害者が必要とするコミュニケーション支援の加算を設けて下さい。
     現行の「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」(視覚・聴覚言語障害者が30%以上いる事業所において、視覚障害者等との意思疎通に関し専門性を有する者を配置することに対する加算)を聴覚障害者一人から適用できるようにして下さい。
     
  4. 平成21 年度の改訂において、「介護福祉士等の資格保有者が一定割合雇用されている事業所が提供するサービスについて、報酬上の評価を行う」とされましたが、この「資格保有者」に「手話通訳士(者)有資格者」を含めて下さい。
     
  5. グループホームの入居者(ろう重複障害者)に対して、土曜、日曜、夜間等に、手話をはじめ様々なコミュニケーション手段について専門的な知識を有する職員が、生活支援や相談・助言を行っています。そのため、日中活動に適用されている「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」をグループホームにも適用してください。
     
  6. 介護サービス包括型グループホーム入居者(重度のろう重複障害者)が体調不良等により日中活動の場(事業所)に通所することができない場合でも、安心してホ-ムで過ごすことができるよう、また、日中ヘルパー派遣が利用できるよう制度の見直しをおこなってください。
     
  7. グループホームの情報設備の充実を図るための補助金を整備してください。特にフラッシュランプや電光文字表示等の情報設備の設置をおこなう場合は、設置に必要な費用を国として補助するか、日常生活用具交付の対象にグループホーム利用者を含めてください。そして、明確に要綱に追加してください。
     
  8. ろう重複障害者の場合、一定の情報提供があれば落ち着いて入院・治療が受けられる方もいます。しかし、病院に通訳者が設置されていないため、入院を断られる場合があります。通院や入院の際に手話ができるホームヘルパーの利用を施設入所者および在宅者全員に認めて下さい。
     また、適切な医療が受けることができるよう、特に設置通訳者のいない病院への通院・入院に対するヘルパー利用について、制度の見直しをおこなってください。
     
  9. 「入院・外泊等における減算(日割り計算)」は施設経営にとって、大きな打撃となっています。高齢化・重度化に伴い、入院等による減収が加速されることが予測されます。利用者の高齢化とともに家族の高齢化・不在が顕著になり、入院時等の家族の付添・協力は期待できず、職員が対応せざるを得ないのが現状です。その為、入院・外泊時加算の期間を延長(現状は8日間を限度)、施設入所支援については月額払いとして下さい。
     
  10. 現在、国は来年四月から始まる第4次障害者計画の基本指針を示し、都道府県市町村で計画を検討している所です。社会保障審議会障害部会においては障害者入所施設の定員削減や利用者減を指針として示し、施設から地域への移行を進めています。従って、ろう重複障害者の入所施設において、既に定員や利用者を減らした施設がありますが、収入が減額し、不安定な経営となっています。施設入所支援について、利用定員を削減する施設には、一定期間における報酬の緩和措置を講じてください。
     
  11. 要介護の高齢障害者は、障害者の施設で介護保険同等のサービスを受けているため、施設利用者は介護保険の被保険者から対象外となっています。在宅の高齢障害者については、制度の谷間になっています。障害者権利条約にも、老人福祉法にも、高齢障害者についての規定がない為、高齢障害者に対する総合的な支援の検討を要望します。