観光庁へ聴覚障害者のツアー参加等・旅行に関わる問題について要望書を提出



(写真クリックで拡大します)

 2014年5月23日(金)、観光庁を訪問、聴覚障害者のツアー参加等・旅行に関わる問題について要望書を提出し、意見交換を行いました。
 
【写真】
観光庁観光産業課訪問:左から小出福祉・労働委員会副委員長、松本福祉・労働委員会委員長
 

連本第140069号
2014年5月23日

観光庁
 長官 久保 成人  様

東京都新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel.03-3268-8847・Fax.03-3267-3445
一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

聴覚障害者のツアー参加等・旅行に関わる問題について

 時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 平素より聴覚障害者福祉の向上にご理解ご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、障害者分野におきましては、障害者基本法の改正、障害者総合支援法の実施、障害者差別解消法の制定が進められ、このたび我が国において障害者権利条約が発効しました。
 しかし、国内・国外を問わず聴覚障害者だけでツアー等に申し込むと旅行社に断られてしまう例が今でも起こっています。
 障害者権利条約や障害者基本法では、共生社会を実現するため、「あらゆる分野の活動に参加する機会」「どこで誰と生活するかについて選択する機会」「言語(手話を含む)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会」の保障が不可欠であるとされています。
 聴覚障害者がツアー等を自由に選択・参加し旅行を楽しめるよう、貴庁よりすべての旅行社に対し、聴覚障害者への正しい理解と業務改善について指導の徹底をお願いします。

<経緯>

1 当事者
 神奈川県に在住する聴覚障害者の夫婦。
 手話又は筆談でコミュニケーションを取る。

2 経緯
 この夫婦がツアーに申し込み、クレジットカード決済するも、「聴覚障害者の為、ツアー中は、筆談にて必要最低限の情報提供をお願いしたい」という申し出に対し、旅行社は、一方的に「介助者の同伴が必要」と述べ、一方的に旅行契約を解除した。

3 聴覚障害者への正しい理解と業務改善について指導のお願い
 障害者権利条約の定義において、障害者が実質的に均等な待遇を受けるために必要とする「合理的配慮」の内容は、障害の態様や配慮が求められた状況等に応じて変わるものであり、障害者と配慮が求められた者の間で協議して、その具体的な内容が確定されることが望ましい、としています。
 このような協議も全く行わないまま一方的に、筆談の実施を拒否し、介助者の同伴を求める行為は、「障害を理由とする差別」に当たります。
 すべての旅行社に対し、聴覚障害者への正しい理解と業務改善について指導の徹底をお願いします。

以 上