日本共産党国会議員団障害者の全面参加と平等推進委員会へ「聴覚障害者にかかる政策に関する取り組み要望」について要望を提出



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 2013年9月26日(木)「日本共産党国会議員団障害者の全面参加と平等推進委員会」による懇談会があり、長谷川副理事長が出席し、「聴覚障害者にかかる政策に関する取り組み要望」について、要望書を提出しました。

連本第130406号
2013年9月26日

日本共産党国会議員団
障害者の全面参加と平等推進委員会
委員長 小 池 晃 様

一般財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野 富志三郎

聴覚障害者にかかる政策に関する取り組み要望について

 日頃より、聴覚障害者の福祉向上について、格別のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申しあげます。
 本年6月19日「障害者差別解消法案」(以下、障害者差別解消法)が国会で可決され、3年後に施行されることになりました。これは、2006年12月に採択された障害者権利条約の批准のために必要な制度改革の一つとして、長年私たちが待ち望んでいたものです。
 障害者の社会参加には、障害を理由としての排除をなくし、その障害による不利益をなくすための「合理的配慮」を取り入れることが必要な条件となります。
 私たち聴覚障害者の社会参加に必要な「情報アクセス・コミュニケーション」も含め、以下の意見を提出いたします。

  1.   当事者主体の政策審議について
     差別解消法に基づき進められていく障害者施策や政策を審議する国・地方の審議会や委員会の選任の際には、「障害当事者の代表」ではなく、それぞれの分野で、まんべんなく障害当事者の声が反映されるようにすべきであり、情報・コミュニケーションに障害をもつ当事者を必ず含めてください。
     
  2.   合理的配慮の不提供についての制約について
     障害者差別解消法や改正障害者雇用促進法では、過度の負担がかかる場合、「合理的配慮の不提供」を認めていますが、その「過度の負担」がどのようなものであるかの基準がありません。
     合理的配慮の提供があって初めて障害者は自らの能力を活かすことができることを踏まえ、この「過度の負担」による「合理的配慮の不提供」を容易に認めることのないよう一定の制約を設けてください。
     
  3.   既存の法律に点在する権利制限について
     相対的欠格条項や公務員採用における「自力での通勤・自力での業務遂行」条件等、障害を理由とする制限はまだまだ点在しています。
     これは障害を理由とする不均等待遇であり、再考すべき内容です。障害者差別解消法の施行と併せ、既存の法律に点在する権利制限についても見直しをしてください。
     
  4.   言語及びコミュニケーション手段の自己選択について
     障害者基本法では「言語(手話を含む)」という記述があります。
     聴覚障害者は音声からの情報を得ることができないため、手話言語や文字情報といった視覚的手段から情報を入手することが必要です。しかし、残存聴力の程度も個々人によって異なるように、手話通訳を選択する人もいれば、要約筆記や文字通訳を選択する人もいます。盲ろう者も同様です。
     コミュニケーション手段は当事者自らが選択すべきであり、その選択によって不利な扱いがされないよう、情報アクセスやコミュニケーション手段を保障するための法律の制定を進めてください。

以 上