九州地域の豪雨における「聴覚障害者支援への緊急要望書」をNHK、総務大臣、厚労省大臣宛へ提出



連本第120188号
2012年7月13日

NHK
 会 長 松 本 正 之 様

〒162-0802 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

聴覚障害者支援について緊急要望

 日頃は私たち聴覚障害者への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、この度の九州の豪雨について、気象庁は「これまでに経験したことのない雨、厳重警戒」として呼びかけています。 
 災害時には被災地における住民、そして被災地を見守る国民にとって、公共放送による迅速にして正確な情報提供はもっとも大切な情報源になります。 
 NHKは緊急警戒呼びかけの直後から緊急放送を行っていましたが、それには「手話通訳」はなく、また緊急警戒呼びかけ直後の避難勧告など一番情報が知りたい時には「字幕放送」もありませんでした。この間、聴覚障害者は画面を見ながら不安と心配を募らせるばかりでした。
 当連盟は、貴放送局に対し平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震における聴覚障害者への緊急災害時放送における「手話通訳・字幕」付与を要望しています。今まで、災害が起こるたびに字幕と手話の付与をお願いしてきましたが、依然として改善されない状況が続いており、今回もまた聴覚障害者への対応に充分な姿勢が見られず非常に残念に思っています。
 貴協会が公共放送としての使命を果たされるよう下記の通り強く要望いたします。

1.緊急災害時におけるローカル番組を含むテレビ番組に、「手話通訳と字幕」の付与を行ってください。
<説明>
 字幕を必要としているのは聴覚障害者ばかりではありません。聞き逃したり、周りが騒がしく聞きづらいなど字幕で情報を得ている方も多くいらっしゃいます。そのため、直接、画面に字幕を挿入したものを放送して頂くことが一番理想です。それが困難な場合は、字幕放送による字幕付与を必ず行ってください。
 被災地周辺の地域に暮らしている聴覚障害者にとってはローカル番組も重要な情報です。緊急災害の場合はローカル番組においても「字幕」を付与してください。
 また「手話」については、手話ニュースを緊急放送したり、緊急災害時の放送番組には手話通訳を挿入して放送して下さい。
 前回いただいた回答によれば「手話通訳と字幕」付与を実施できない理由として技術面・人的配置の困難さをあげてられておりまずが、全く情報を配信していない状況は人命軽視であると思います。
 放送法第7条(日本放送協会定款第3条)によれば「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、且つ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務 を行い、あわせて・・・・」とされています。
 「公共の福祉のために、あまねく」と貴社が謳われているように公共放送だということを強く認識していただき、繰り返しますが、「公共」から聴覚障害者を排除することのないよう速やかに対応してくださいますようお願いいたします。

2.緊急災害時に、特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構に対し、ローカル番組を含むニュース、その他の必要な情報を速やかに提供してください。
<説明>
 特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構が放送している「目で聴くテレビ」は以前ピクチャー・イン・ピクチャー機能を活用してNHK放送に「手話通訳と字幕」を付与した放送を実施しました。「目で聴くテレビ」を受信するアイ・ドラゴンⅡを持っている聴覚障害者・施設では、これにより地震情報を一般視聴者と等しく得ることができました。
 NHKは特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構と連携することにより、緊急災害時の「手話と字幕」を付加した放送を実施することができます。

以 上


以上の要望書に対し、NHKより下記の回答を頂きました。
緊急災害時における放送についてのご要望について – 2012/07/27(PDF形式)
NHKの回答

連本第120189号
2012年7月13日

総 務 大 臣 
 川 端 達 夫 様

〒162-0802 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

聴覚障害者支援について緊急要望

 日頃は私たち聴覚障害者への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、この度の九州の豪雨について、気象庁は「これまでに経験したことのない雨、厳重警戒」として呼びかけています。
 災害時には被災地における住民、そして被災地を見守る国民にとって、公共放送による迅速にして正確な情報提供はもっとも大切な情報源になります。
 NHKは緊急警戒呼びかけの直後から緊急放送を行っていましたが、それには「手話通訳」はなく、また緊急警戒呼びかけ直後の避難勧告など一番情報が知りたい時には「字幕放送」もありませんでした。この間、聴覚障害者は画面を見ながら不安と心配を募らせるばかりでした。
 当連盟は、貴放送局に対し平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震における聴覚障害者への緊急災害時放送における「手話通訳・字幕」付与を要望しています。今まで、災害が起こるたびに字幕と手話の付与をお願いしてきましたが、依然として改善されない状況が続いており、今回もまた聴覚障害者への対応に充分な姿勢が見られず非常に残念に思っています。
 貴協会が公共放送としての使命を果たされるよう下記の通り強く要望いたします。

1.NHK、民放各社に対し、緊急災害時におけるローカル番組を含むテレビ番組に、「手話通訳と字幕」の付与を必須として行うよう働きかけてください。
<説明>
 NHK、民放各社のご協力で首都圏において字幕放送は多くなってきましたが、ローカル番組では字幕、手話放送が極端に少ないのが現状です。必要としているのは聴覚障害者ばかりではありません。聞き逃したり、周りが騒がしく聞きづらいなど字幕で情報を得ている方も多くいらっしゃいます。そのため、直接、画面に字幕を挿入したものを放送して頂くことが一番理想です。それが困難な場合は、字幕放送による字幕付与を必ず行ってください。
 被災地周辺の地域に暮らしている聴覚障害者にとってはローカル番組も重要な情報です。緊急災害の場合はローカル番組においても「字幕」を付与してください。
 また「手話」については、手話ニュースを緊急放送したり、緊急災害時の放送番組には手話通訳を挿入して放送して下さい。
 前回いただいた回答によれば「手話通訳と字幕」付与を実施できない理由として技術面・人的配置の困難さをあげてられておりまずが、全く情報を配信していない状況は人命軽視であると思います。
 放送法第7条(日本放送協会定款第3条)によれば「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、且つ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務 を行い、あわせて・・・・」とされています。
 「公共の福祉のために、あまねく」と貴社が謳われているように公共放送だということを強く認識していただき、繰り返しますが、「公共」から聴覚障害者を排除することのないよう速やかに対応してくださいますようお願いいたします。

2.緊急災害時に、特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構に対し、ローカル番組を含むニュース、その他の必要な情報を速やかに提供してください。
<説明>
 特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構が放送している「目で聴くテレビ」は以前ピクチャー・イン・ピクチャー機能を活用してNHK放送に「手話通訳と字幕」を付与した放送を実施しました。「目で聴くテレビ」を受信するアイ・ドラゴンⅡを持っている聴覚障害者・施設では、これにより地震情報を一般視聴者と等しく得ることができました。
 NHKは特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構と連携することにより、緊急災害時の「手話と字幕」を付加した放送を実施することができます。

以 上

連本第1201890号
2012年7月13日

厚生労働大臣 
 小 宮 山 洋 子 様

〒162-0802 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

聴覚障害者支援について緊急要望

 日頃は私たち聴覚障害者への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、この度の九州の豪雨について、気象庁は「これまでに経験したことのない雨、厳重警戒」として呼びかけています。 
 災害時には被災地における住民、そして被災地を見守る国民にとって、公共放送による迅速にして正確な情報提供はもっとも大切な情報源になります。 
 NHKは緊急警戒呼びかけの直後から緊急放送を行っていましたが、それには「手話通訳」はなく、また緊急警戒呼びかけ直後の避難勧告など一番情報が知りたい時には「字幕放送」もありませんでした。この間、聴覚障害者は画面を見ながら不安と心配を募らせるばかりでした。
 当連盟は、貴放送局に対し平成23年3月11日東北地方太平洋沖地震における聴覚障害者への緊急災害時放送における「手話通訳・字幕」付与を要望しています。今まで、災害が起こるたびに字幕と手話の付与をお願いしてきましたが、依然として改善されない状況が続いており、今回もまた聴覚障害者への対応に充分な姿勢が見られず非常に残念に思っています。
 貴協会が公共放送としての使命を果たされるよう下記の通り強く要望いたします。

1.NHK、民放各社に対し、緊急災害時におけるローカル番組を含むテレビ番組に、「手話通訳と字幕」の付与を必須として行うよう働きかけてください。
<説明>
 NHK、民放各社のご協力で首都圏において字幕放送は多くなってきましたが、ローカル番組では字幕、手話放送が極端に少ないのが現状です。必要としているのは聴覚障害者ばかりではなく、聞き逃がしたり、周りが騒がしく聞きづらいなど字幕で情報を得ている方も多くいらっしゃいます。そのため、直接、画面に字幕を挿入したものを放送して頂くことが一番理想的です。それが困難な場合は、字幕放送による字幕付与を行っていただきたく思います。
 被災地周辺の地域に暮らしている聴覚障害者にとってはローカル番組も重要な情報です。緊急災害の場合はローカル番組においても「字幕」を付与してください。
 また「手話」については、手話ニュースを緊急放送したり、緊急災害時の放送番組には手話通訳を挿入して放送して下さい。
 前回いただいた回答によれば「手話通訳と字幕」付与を実施できない理由として技術面・人的配置の困難さをあげてられておりまずが、全く情報を配信していない状況は人命軽視であると思います。
 放送法第7条(日本放送協会定款第3条)によれば「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、且つ、良い放送番組による国内放送を行い又は当該放送番組を委託して放送させるとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務 を行い、あわせて・・・・」とされています。
 「公共の福祉のために、あまねく」と貴社が謳われているように公共放送だということを強く認識していただき、繰り返しますが、「公共」から聴覚障害者を排除することのないよう速やかに対応してくださいますようお願いいたします。

2.緊急災害時に、特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構に対し、ローカル番組を含むニュース、その他の必要な情報を速やかに提供してください。
<説明>
 特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構が放送している「目で聴くテレビ」は以前ピクチャー・イン・ピクチャー機能を活用してNHK放送に「手話通訳と字幕」を付与した放送を実施しました。「目で聴くテレビ」を受信するアイ・ドラゴンⅡを持っている聴覚障害者・施設では、これにより地震情報を一般視聴者と等しく得ることができました。
 NHKは特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構と連携することにより、緊急災害時の「手話と字幕」を付加した放送を実施することができます。

以 上