台風12号に関連して総務省へ「聴覚障害者支援について緊急要望」を提出



連本第110219号
2011年9月5日

総務大臣 
 川端 達夫 様

〒162-0802 新宿区山吹町130 SKビル8F
Tel 03-3268-8847 ・ Fax 03-3267-3445
財団法人全日本ろうあ連盟
理事長 石野富志三郎

聴覚障害者支援について緊急要望

 日頃は私たち聴覚障害者への情報保障等に、格段のご配慮を頂き厚く御礼申し上げます。
 さて、今般、日本列島を縦断した大型の台風12号は四国・近畿・中国地方を直撃しました。
 災害時には被災地における住民、そして被災地を見守る国民にとって、テレビ放送による迅速にして正確な情報提供はもっとも大切な情報源になります。
 また避難所における聴覚障害者への情報保障も含め、ここに下記の事項を要望いたします。

  1. NHK、民放各社に対し、緊急災害時においてローカル番組を含むテレビ番組に「字幕と手話通訳」の付与を必須としておこなうよう働きかけてください。
     <説明>
     NHK、民法各社のご協力で首都圏における字幕放送は多くなってきましたがローカル番組では極端に字幕放送が少ないのが現状です。被災地周辺の地域に暮らしている人々にとっては、ローカル番組も重要な情報です。聴覚障害者だけではなく、聞き逃したり、周りが騒がしく聞きづらいなど字幕で情報を得ている方も多くいらっしゃいます。そのため、直接、画面に字幕を挿入したものを放送して頂くことが一番理想です。それが困難な場合は、字幕放送による字幕付与を必ず行ってください。
     NHKにおいては手話ニュースで緊急放送したり、緊急災害時の放送番組に手話通訳を挿入しての放送が重要になります。
     
  2. 緊急災害時に、特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構に対し、ローカル番組を含むニュース、その他の必要な情報を速やかに提供してください。
    <説明>
     特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構が放送している「目で聴くテレビ」は災害時にピクチャー・イン・ピクチャー機能を活用してNHK放送に「手話通訳と字幕」を付与した放送を実施しました。「目で聴くテレビ」を受信するアイ・ドラゴンⅡを持っている聴覚障害者、施設では、これにより地震情報を一般視聴者と等しく得ることができました。
     NHKは特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構と連携することにより、緊急災害時の「手話通訳と字幕」を付加した放送を実施することができます。
     
  3. 設置されている避難所において聴覚障害者への情報保障に配慮をするよう、被災地域の自治体へ下記事項を働きかけてください。
     避難所に字幕放送が受信できるテレビの設置や、避難生活に必要な情報を伝達するためのホワイトボード等を準備するなど、聴覚障害者がいる避難所には聴覚障害者の存在・配慮を周知してください。
     聴覚障害者は字幕放送を見ることで、他の被災者と同じ情報を得ることができます。
     また、食料や避難物質の配布等、他の被災者同様に避難生活に必要な情報を得るための方策や配慮を被災地域の自治体に働きかけてください。

以  上