第17回冬季デフリンピックの中止について:報告とお礼



第17回冬季デフリンピック日本選手団団長
(財団法人全日本ろうあ連盟スポーツ委員会委員長)
山 根 昭 治

報 告 と お 礼

 この度は、第17回冬季デフリンピック(ハイタトラス2011)の開催中止の件で、加盟団体会員の皆様をはじめ、国民の皆様にご心配をおかけするとともに励ましの言葉をいただきましたこと、選手団を代表し、心よりお礼申し上げます。

 2月8日と11日に出国した選手団第1陣、第2陣計23名(うち、私設スタッフ2名)は2月18日(金)に、賠償の問題等の処理のため現地に残っていた粟野達人総監督、帯同旅行会社林孝雄氏、手話通訳内田美春氏の3名は、2月20日(日)に無事に帰国しましたことを、ここにご報告いたします。

 また、選手・スタッフに全員に対し中止に至った経緯についての説明会を実施しました。 第3陣として出発予定であった29名の選手・スタッフに対しては、出国予定だった2月15日(火)に、スロバキアから帰国した選手・スタッフに対しては、帰国日の2月18日(金)に行いました。

 全日本ろうあ連盟スポーツ委員会は、選手・スタッフの受けた大きな衝撃に対し、彼らの今後の競技生活を支えるべく、全力で応えていく所存です。

 選手たちは4年間練習に励み、デフリンピックという国際的な晴れ舞台で最高のパフォーマンスを繰り広げるという夢が打ち砕かれました。また、公私に渡り選手を応援してくださった家族、学校、職場の皆様の気持ちと、その期待に添うことができなかった選手の無念を思うと、非常に胸が痛みます。

 今回の出来事に対し、選手は大きな落胆を感じると同時に「デフリンピックの灯は消さないでほしい」という強い思いを新たにしています。

 「デフリンピック」はろう当事者による、ろう者の最高レベルのスポーツの祭典でなければなりません。デフリンピックの理念を守りつつ、大会の継続と発展を私たちろう者が中心となって支えていかねばならないのです。

 これまでデフリンピック日本選手団の派遣に積極的なご理解・ご支援をいただきました皆様に感謝を申し上げますとともに、引き続き選手やスタッフへ励ましのことばをかけていただければ幸いです。

 今後とも引き続き、ろう者のスポーツに対する温かいご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。